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新型コロナウイルス感染始末記(2022年08月20日から30日)

<<感染始末記>>

19日(土) 夕方、喉がいがらっぽい。発熱はないが頭が痛い。念のために抗原検査をする。当然の如く陰性を確認する。親しい車屋さんから購入した新型レ・ヴォルグの受け渡しをする。「STI」の称号のエンブレムが映えるね。女房と土岐方面にドライブをする。「アイサイトX」の安全性を確認して満足する。翌20日、何となく熱っぽい。36.9℃。再確認の検査をする。チョット緊張です。女房は陰性、私は陽性反応(プラス)です。一番恐れていた事が眼の前に現れた。常に危険には晒されていても私は感染はしないとの過信が脆くも崩れた。唇を噛みしめたが大切な事は善後策である。女房とは常に2メートルの距離を保って仕事を分担した。先ずは保健所への連絡、HER-SYSへの登録も済ませる。30日までの自宅待機・安静を言い渡される。職員への連絡:体調の頻回チェックと明日の朝、全員の検査を指示する。保健センターへ連絡 明日からのワクチン接種を取り消して下さいと連絡する。感染急拡大のこの時期、1日でも早い接種の希望がある事は十分に自覚をし、それなりに対処するつもりだったが、町民の期待を大きく裏切る事になってしまう。大変申し訳ないが、やむを得ません。「確信は不可能だ」と観念しつつも、「代診」を頼めないものかと連絡をする。診療室の入り口に「職員に新規感染者発生につき診療を休みます」と書かれた張り紙を印刷する。己の不覚さに、防御の甘さに悔しさがこみあげてくる。ログハウスに色々と持ち込む。10日間の籠城生活(閉門蟄居)の準備です。。パソコン、読みたかった書籍(免疫学の解説書、心不全の病態生理、山田實紘先生の「たかがライオンズ されどライオンズ」等十数冊)トレーニング機器、スマートフォン等を運び込む。
一呼吸をして思いつく。そうだ!。俺は73歳だ。ラゲブリオを服用しよう。早速、女房に電話をして朝の分の鮮紅色のカプセルを飲む。1回4カプセルです。何となく元気になる。まさに、病は気からだね。大学時代の同級生、先輩に感染を報告する。開業医仲間にも「私も罹っちゃいました」と連絡する。連絡して分かったのだが、結構同類の志がいる。励まされ安心感を覚える。翌22日、快調です。元気溌剌です。友より連絡ある。明日より代診の医師派遣が可能になる。これは本当に有り難い。恵みの雨です。地獄で仏かな!ワクチン接種、コロナの検査も再開出来る。大失態の災いを最小限に抑える事が出来そうだ。古くからの友人の篤い友情に感謝する。
私に残された事は、対処方法で困った時にその都度、電話連絡をして貰い適切に指示を出すことだ。原則悠々自適の10日間が始まっている。アマゾンプライムで映画を鑑賞するぞ。観たい映画、その1 「ドライブマイカ-」その 2「ファーザー」その3「君の名は」。こんな時に備えた訳ではないが、ログハウスには130インチの大画面のスクリーンがある。朝から晩までたっぷりテレビジョンを観るのも何年振りだろう。新鮮な感覚だ。
 そして何と言っても今回の最大の武器は、マイクロソフトのサーフェスというシステムで電子カルテ「アベニティー」とパソコンが接続している。それ故、ログハウスのロッキングチェアーに座って診療状態を覗き。指示を出す事が出来る。往診時に利用目的で導入したものだが意外なところで大活躍です。
その後、最大の濃厚接触者の女房への感染なし。職員の中で発熱者もなく事態は収拾に向かった。呻吟の苦しみから少し抜け出始めると、我が儘が出てくる。徐々に苦しみが増大したのはログハウスに缶詰状態の私である。すっかり厭きてしまった。軽症者、自宅療養待機10日間はは余りに長期間だ。ロスが多すぎる。1ヶ月500万人の新規発生者だとすると、毎日、150万人近い感染者が、或いは仕事を休み、或いは学校を休み、或いは家事を中断している勘定である。
月曜日発症したら翌週の日曜日までの自宅療養安静ぐらいを標準とすべきだ。そのレベルを基本登認識して再検討が必要だ。 都合の良い言い訳、自己弁護かもしれないが実感である。
<<強く想う事>>
 いつ何時誰が罹るかもしれない。半年から1年の間、連日10万人規模の感染が続くと覚悟すべきである。手洗い・うがい・マスク着用・3密を回避・自主規制をしていても累計患者総数が4.000万人までは増え続ける。ハイブリット免疫を持った国民が30%ぐらいになると集団免疫を形成する。そこで始めて沈静化である。現在感染者総数は1945万人です。
出来る事はチョットでも体調の異変があったら抗原検査を受けるべきである。そして、陽性だったら医療機関を受診して下さい。そして65歳以上の高齢者、或いは高血圧、糖尿病、気管支喘息のある方は発症後なるべく早くラブゲリオの処方を受けて下さい。私には著効しました。仲間の開業医も効果有ったと述懐しています。恐れるのは感染ではありません。後遺症です。


国産の経口治療薬「ゾコーバ」の1日でも早い承認を願うものだが、これまでに2回再審査となっている。今年の11月が最後の機会です。なんとか承認してほしい。

<<ハイブリット免疫>>
私達は、ハイブリット免疫を獲得して開放される?
マスク着用
お互いに不織布マスク着用状態の会話で感染の可能性は70%減少する事が実験的に証明されている。
ワクチン接種
δー株流行時にはワクチン接種者で感染する人は比較的少なかった。十分な効果が得られていた。現在流行中のオミクロン株については感染発症予防効果は半減している。3回接種者で60%の発症予防効果だと言われている。4回接種した私が見事に発症した事実からも確かだと思う。但し重症化予防効果はあるね。
ハイブリット免疫
オミクロン株が流行っているのは欧米も日本も同じです。なのに日本で大流行が起こり欧米で起こらないのか。その答えはどうもハイブリット免疫の獲得の有無です。

ワクチン接種によって得られる抗体は主にS抗体です。オミクロン株感染によって得られる抗体はN抗体です。
このN抗体値がイギリスでは70%以上の人が陽性です。日本では3%に過ぎない。(今年の3月のデーター)

S抗体:ワクチン接種または感染すると陽性になる
N抗体:感染した人だけが陽性になる
N抗体を獲得する時には細胞性免疫細胞も賦活される(CD4 T細胞 CD 8 T細胞)
そのハイブリット免疫を大多数の国民が獲得するには既感染率30%が最低条件だろう。すると、追加感染者として1500万から1700万人の登録を待つ事になる。
それが突きつけられた事実であるならば、まだまだ日本は忍耐の日々が続くのか。
 
ワクチン4回接種+新型コロナウイルスに感染した人は抗体価が爆発的に増加している。3回接種後の IgーG抗体 8.000
4回接種+コロナ感染後  Ig-G 抗体250.000万に跳ね上がっている。
こんなデーターがあちらこちらから発表され始めている。
これがハイブリット免疫の実態です。

今回のコロナ感染騒動では沢山の方から激励の言葉やお見舞いの言葉をかけて頂きました。本当に有り難うございました。これからもコロナ感染症制圧のため微力ながらも最善を尽くして行きます。
令和4年9月6日  脱稿

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