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コロナ罹患の副産物  その1 映画「君の名は」

コロナ禍の副産物  第2弾

不覚にも、最前線で新型コロナウイルス感染症と闘うべき立場の1人である開業医でありながら、不覚にも、感染してしまいました。自覚が足らなかったと自省しています。沢山の感染者と間近で接触してきているので不顕感染を繰り返し充分な免疫が出来ているのではあるまいかと勝手な思い込み、自信を持っていた。今考えれば愚かである。


帯状疱疹は幼少期に水痘症に罹患する。その時に水痘ワクチンは体内の脊髄後根に潜んだままである。免疫があるのでワクチンの活動は抑えられている。中高年になって幼少時の感染免疫が減少し始める。そうした時にウイルスが再活性化して発症してくるのが帯状疱疹である。だから誰にでも発症する可能性がある。しかし、私達開業医は何時も帯状疱疹の患者さんに接している。病変部を触診する事もある。若い頃は充分な免疫があるから発症しない。中年になっても発症しない。73歳になっても発症しない。友人にも帯状疱疹で苦しんだという話は聞かない。とすれば、きっと繰り返す不顕感染で追加免疫を得ているだろう。そう解釈していた。
ある意味、私達医療人はそんなふうに感染症と接する事によって、医療人の大流行を防いできた。新型インフルエンザに対しても、季節性インフルエンザに対してもそんな曖昧な態度で接してきてそれなりの効果があるものだと考えてきている。

保健所からに指示で8月21日から8月30日までの10日間、自宅謹慎を守った。
決して監禁されたり、閉門蟄居を命ぜられた訳ではないが、新型コロナウイルス感染症にに掛かったものとして最低限の、社会的自主的規律である。
兎にも角にも10日間、ログハウスの中で過ごした。外界との接触は3度の食事を運んできてくれる女房との会話だけである。
これを機会にDVDを沢山観賞した。持ち込んだパソコンからアマゾンプライムに接続して楽しんだ。便利な世の中ですね。

    君の名は
                2016年  新海監督
立花瀧  神木隆之介  
宮水三葉  上白石萌音
奥平先輩 長澤まさみ
音楽もよかった

岐阜県の山奥、糸守町に住む高校生の宮水三葉。地元の女子高校生。家系である宮水神社の巫女をやりながら大都会東京に思いを馳せていた。
ある日、目が覚めると一緒に暮らす祖母と妹の四葉がおかしなことを言っていた。昨日の三葉の様子がおかしかったというのだ。自分が分かっていなかった。おっぱいを触っていたと次女の四葉がいう。湖の畔の町。テレビでは2013年10月4日彗星が地球に大接近、ティアマトスイセイの大接近を報じている。友人であるテッシー(♂)と早耶香(♀)もまた同じことを言っていた。昨日は違う人だった。そして三葉のノートには「お前は誰だ?」と書かれていた。訳が分からないままその夜、三葉は四葉と共に巫女の儀式を行っていた。宮水神社の姉妹である。思春期の女の子には同じ学校の生徒に、儀式である口噛み酒を作る姿を見られるのは耐えがたかった。そのため三葉は思っていた。来世では東京のイケメン男子に生まれたいと。

ある日、三葉(体は瀧・東京)が目を覚ますと違う光景に戸惑った。知らない部屋、そして身体には有るはずものが無く、無いはずのものが有った。夢??でもあまりにリアルな体験。身支度をし、瀧の高校へと辿り着いた。そして二人の友達に誘われるままカフェへと行き、夜はレストランのアルバイトへと行くのだがヘマの連続だ。へまをするも憧れの先輩奥寺のスカートの破れを刺繍をして直してやる。その頃、立花瀧もまた見知らぬ土地(飛騨・糸守)で目を覚ました。戸惑う。身体には二つの胸。触っている所を妹に見つかる。
この辺りで主題歌が効果的に挿入されていました。良い歌ですね。
それを機に瀧と三葉はその身体を入れ替わることとなった。その入れ替え頻度は週に2~3回ほど。この入れ替わりが続いた2人は、これが夢ではなく現実の出来事だと気づき、お互いの行動に約束事を決め、なんとか二人の入れ替わり生活を保とうとした。
 三葉、瀧、お互いの環境に激変に戸惑いながらも二人はその生活を楽しんでいた。三葉はアルバイト先の先輩である奥寺先輩との仲を深める。祖母から宮水組紐の歴史を教わる。土地氏神様である。絡まって神様と人間を結ぶものだと教える。一方の瀧も田舎の高校生活を楽しむ。ある日、三葉に入れ替わっていた瀧は、祖母と四葉と一緒に山奥にある宮水神社のご神体へ口噛み酒を奉納に行く。その際、祖母から「口噛み酒はあんたらの半分なのだよ」と言われるが意味は分からなかった。
ある朝、瀧のスマホが鳴る。その日、奥寺先輩とデートをすることに三葉が設定したのだった。1日が終わりデートはイマイチな結果だった。奥寺先輩は滝の心を見透かしていた。ずっと頭の片隅に三葉のことがあった瀧は、スマホにある三葉の電話番号にかけてみるも繋がることはなかった。三葉はそのデートが気になり、学校を休んで東京へと向かう。しかしそこで出会ったのは、自分のことを知らない様子の瀧だった。別れ際、三葉は自分の髪に結んでいた組紐を瀧に渡して去っていきます。(2人の過ごしていた時間には3年もの時差があった。2016年(衝突事故は3年前だ)の瀧と2013年(彗星の衝突事故で糸守は消滅)の三葉、2人は時空を超えて身体の入れ替わりが起こっていたのです)。瀧は貰った組紐をミサンガとしていつも左手に填めています。
二人の入れ替わり現象はそれ以降ぱったりと無くなってしまいます。三葉が学校をさぼった次の日、心配したテッシーが電話を掛け、夜の宮水神社の祭りに誘います。二人は三つ編みを切り落とした三葉を見つけます。その夜、町は祭りで盛り上がった。そしてしばらく前から地球に接近すると話題になっていたティアマト彗星が夜空で煌々と輝いていた
瀧は奥寺先輩とのデートの写真展で見た飛騨の風景写真を見て驚く。それは自分が三葉の体を通してみてきた風景だからだ。その風景の絵を描き続けていた。ある日瀧はその何枚もの絵を持って飛騨に向かう。音沙汰も無くなってしまった三葉を自らの手で探す為に・・。駅では友人の司と奥寺先輩。二人は瀧に付いてくると言い出した。しかし手がかりは彼の描いた絵だけだった。その絵を頼りに聞いて回るしかなかった。諦めかけて入った高山ラーメン店の店主が、その絵の風景を知る人物だった。それは糸守町という場所。しかし、そこは3年前の2013年にティアマト彗星の破片が落下し町ごと消滅していた。
衝撃の事実を知った瀧は資料を調べた。そこには3年前の彗星落下事故、そしてその事故による犠牲者の名前が載っていた。500人以上にも及ぶ犠牲者の中に勅使河原と早耶香の名前と共に三葉(妹の四葉も、祖母も)の名前は載っていた…。三葉は3年前に死んでいたのだ。しかし瀧はほんの2~3週間前に三葉と繋がっていた。どうしても諦めきれない彼は次の日の朝、かつて瀧が三葉の身体に入れ替わって訪れた宮水神社のご神体がある祠(ほこら)。この世とあの世の境があるという三葉の家系にとって大切な場所だった。そこで口噛み酒を口にする瀧、これを飲めばまた三葉と会えると思ったのだ。そして立ち上がろうとしたときに足を滑らせてしまう。瀧が目を覚ますとそこは見覚えのある三葉の部屋だった。瀧は戻ってきたのだ。瀧の目的はただ一つ、三葉とこの町の人達を助けることだった。今夜は宮水神社の祭りがある、あのティアマト彗星が落ちてくる日だった。

町の人たちは三葉が逃げろと言っても誰も聞く耳をもたなかった。祖母も父親でさえも。しかし友人達は協力してくれるという。そこである計画を立てた。発電所の爆破、それに伴い緊急放送をかけるのだ。強引な手段だったがやるしかなかった。町の人たちの命が掛かっていたのだ。しかし事は上手く運ばなかった。こんな時、本物の三葉の言葉なら聞くのだろうか、そう考えた瀧はあの祠を思い出した。今ここに自分がいるのならあの祠には瀧の体に入った三葉がいるのでは。テッシー達に計画を進めさせ祠に向かう瀧、その時三葉は再び瀧の身体の中にいた。ミサンガを返し三葉の髪の毛のカチューシャにする。
何故自分がこの祠にいるのか分からなかったがそこから出て町を見下ろした時全てを悟った。そこは瀧のいる三年後の糸守町。町は彗星衝突により跡かたもなかった。そうだ、自分はあの日死んだんだ。その時どこからともなく瀧の声がした。そしてそれに応える三葉の声を瀧は聞いた。二人は違う時代にいた。しかし姿は見えなくともその存在を感じることはできた。そしてある時間、黄昏時(かたわれ時)、二つの時代が重なるこの時に二人はお互いの姿を認識することができた。短い時間ながらもたしかにお互いの存在を確認した二人、そして瀧はその想いを三葉に託した。二人はお互いの名前を忘れないようにと、三葉の手に瀧が名前を書き、三葉が瀧の手に名前を書き始めた瞬間に黄昏時(かたわれ時)は終わった。
 三葉は自らの身体に戻り瀧の想いを受け継いで町人の避難を急いだ。しかし町長を務める父の元へと向かう途中、三葉はつまずき転んでしまう。その時すでに夢で出会った彼の名前も思い出せなくなっていた。入れ替わりが終わると相手の記憶がすぐに消えてしまうのだ。たしかに存在する彼の名を、たしかに会った彼の名を。「あなたの名前は?」。しかし三葉は諦めなかった。ぎゅっと握られたその手には彼の名が書いてある。そこに存在するはずなのだ。しかしその手には名前は書いていなかった。ただ一言『すきだ』そう書かれていた。三葉は立ち上がり再び走った。やっと役場についた三葉、町長室には祖母と四葉もいた。その後町にはティアマト彗星が落下してしまう。町は壊滅した。

「君の名は。」結末

山の上で一晩を過ごし目を覚ました瀧、しかしなぜそこにいたのかも、なぜ司と奥寺先輩と別れて帰ったのかも覚えていなかった。その日から5年という年月が経ってからもある事故のことに妙に惹かれていた。それは8年前に彗星がある町へと落ちたという事故。そこでは奇跡的に彗星が衝突する寸前に町長の指示で避難訓練が行われていて町の壊滅から住人は被害を免れたという。しかし自分が何を探しているのかそれすらも分からずただただ毎日を就職活動に追われていた。ずっと誰かを探している。そんな気がしてならない瀧はある日電車の中でその出会いをする。乗り込んだ電車の向かいの電車、そこに一人の女性がいた。その女性もこちらに気づきハッとする。そう、彼女こそ探していた人だった。二人はすぐに電車を降りお互いを探しあった。
そして石段でお互いを見つけ下る瀧、登る三葉。
すれ違いながらお互いに振り向く。三葉の髪の毛にはミサンガで束ねられていました。名前は知らない、知るはずの人。「君の名前は?」

2019/12/30
美しい物語りでした。
22/08/25
コロナ感染症患者としてログハウスに謹慎中
                     
宮水の家は代々の女系家族であり、その当主は今でいう所の超能力の持ち主であった。一葉(三葉の祖母)も夭折した二葉(三葉の母)も、若い頃自分の心が体がどこか違う世界に飛んでいったことがあると語っている。
飛騨地方に伝わる伝説、神話からモチーフを持ってきていますね。
「人類ははだまに乗ってやってきた。」
統がボーイスカウ可児第1団 カブスカウトに入団していた頃、勧められて購入して読みました。探しても見つからない。ネットで探せばと思ってあれこれ探しましたが見つかりません。

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