文春砲を囃し立てる

真に不甲斐ない限りですが、今週の水曜日(３月24日)はつまらなかった。
この日発売の４月１日号、週間「文春」の表紙を見て下さい。
チョット迫力不足ですね。正しくは内容にインパクトが不足しています。そう思うのは私１人ではないだろう。日本という国の在り方にそれなりの関心を持っている人はそんな感想を懐いているのではないか。
でも、それでいいのだろうか。私は何時も一抹の不安を、不満を感じながら水曜日の「文春オンライン」を待っている。

それでも、敢えてもう一度書いておきます。「政・官・財」の癒着・密談・密会の告発を専ら週間「文春」任せでいいのでしょうか。？決して、警察検察に告発もない贈収賄の捜査をして欲しいとか、すべきだと思っている訳では有りません。
メディアは他にも沢山ある。３大全国紙(読売・朝日・毎日)の新聞社もあれば３大地方紙(北海道・中日・西日本）もある。テレビ局もあるはずである。週刊誌だって沢山あるよ。しかし、最近のスクープ事件となるとその殆どが「文春砲」と呼称されるスクープである。その事に「これでいいのか」と思っている所です。

さながら「令和時代の義賊である」(義賊という言葉には悪者、犯罪者というイメージがつきまとうので、私利私欲の塊を退治する「義理と人情」に篤い渡世人､正義の味方というところかな)

今年の２月からの記事から拾ってみました。
２月１１日号
菅首相の長男　総務省幹部を違法接待　決定的瞬間を撮影
２月２４日号
菅首相長男“違法接待”　総務省局長「国会虚偽答弁」の証拠音声
　音声は、接待が行われた店に客として入店した複数の「週刊文春」記者が、付近の座席から録音し、他の客の声や雑音などを専門業者に依頼して除去し、解析を進めてきた。

私見
なんたる執念　畏れ入ります　しかし、行きすぎじゃないか　モラル的に問題有る
結果として違法接待を洗い出したのだから免罪符を勝ち得て正義の味方という扱いになっているが、もしこれが違法接待でなく、特ダネ情報もなかったら完全な嫌がらせじゃないの
女たらしのジェームス三木が言っていました。恋愛は、求愛行為は一歩間違わなくても､今の基準で行けば「性的嫌がらせ」ですよ。恋が成就すればそれは愛の求愛行動として許されるが、片思いで終わったり、破局を迎えた場合には間違いなく犯罪です。赦されるか赦されないかだけです。

 記憶にない→記憶力不足　総務省接待、崩れた国会答弁

私見
このニュースは驚きだった。肉声が録音されている。が、飛び上がって驚いたのは東京大学法学部をトップの成績で卒業し､世界に誇る日本の官僚機構のエリートが、現役の官僚が「記憶力不足」「自分の記憶力の乏しさを恥じた」と国会答弁をしたことで有る。そんな乏しい記憶力の人達が、日本のトップなのか！情けない！！　
長谷川式簡易認知症検査の点数を公表して自発的に止めて欲しい。

３月４日号
「ササニシキ送りますよ」菅首相長男の“接待攻勢”音声

３月１１日号
NTTが山田前広報官と谷脇総務審議官に高額接待
　NTTは総務大臣から事業計画などの認可を受けて経営されており、総務省幹部がNTT側から供応接待を受けることは、国家公務員倫理法に抵触する。

　
３月１８日号
内部文書入手　NTTが総務大臣、副大臣も接待していた

NTT側が、官僚を接待していた“迎賓館”で、総務省の政務三役（大臣、副大臣、政務官）、繰り返し接待を行っていた。野田聖子と高市早苗衆院議員は現役総務大臣時代に接待を受けていた。

３月２４日号
　 　武田総務大臣が去年１１月、ＮＴＴの澤田社長らと会食していた。
　　不誠実な答弁に終始し、責任を明確にしないままです。

４月１日号
菅＜首相＞長男に一万株
 鉄道利権を暴く

朝日新聞の記事から抜粋すると

テレビ局の外資規制（２０％以下）違反のニュースです。
「言った」「言わない」の泥沼　東北新社、総務省ずさん審査
2021年3月12日 21時17分

東北新社「報告した」総務省「覚えない」　食い違う主張
1年3月15日 19時44分

【詳報】東北新社「面談で報告」VS総務省「覚えない」
2021年3月15日 19時30分
 
「違法状態で認可。これはまずい」経緯証言した東北新社
021年3月16日 5時00分

【詳報】面会「記憶にございません」連発した総務省幹部
2021年3月16日 14時04分

「記憶ないと言え」発言は誰?　武田総務相「私かも…」
2021年3月18日 18時20分

私見
これもド胆を抜く政治家魂です。
予算委員会に呼ばれた官僚に対して、傍らに座る大臣自らが答弁を指示している。その声がマイクロフォンを通して全国民に届いた。それでもイケシャーシャーと言い逃れ。口が滑った。無意識のうちに・・・どんな落語より面白い。

こんな見出しも新聞で見つけた。

個人主観】国会審議は文春次第か？　
水曜日が待ち遠しい野党国会議員　
文春国有化希望　口封じ与党議員　
仕事しろよ！国会議員

 
悔しくないのか、日本のメディアは？　恒に権力の腐敗に対して鋭い眼差しを注ぐ事が報道機関の役割ですよ。
そして国政調査権を持つ国会議員の先生方は悔しくないですか？
私はこのまま日本が「週刊文春」に毒されてしまうことがイヤだ。

週間「文春」についてチョット調べてみました。
政治家の金銭スキャンダルからタレントの醜聞記事まで、列島を震撼させるスクープを連発する『週刊文春』。その破壊力と影響力によって、いつからか“文春砲”と呼ばれるようになったのはご存知の通りだ。しかし、ここで素朴な疑問が浮かんでくる。「なぜ『文春』ばかりがスクープを取れるのか？」「他のメディアだって特ダネやスクープを血眼になって探しているはずなのに……」

 『週刊文春』はあらゆる圧力や忖度を撥ねのけてくれる、という信頼があるからこそ、告発する側も安心できる。リークする人っていうのは、第一に自分や家族の安全を確保したい。たとえば『会社の内部でこんなひどいことが行われています！』という内部告発が『週刊文春』に載ったとする、普通なら、原因究明と再発防止策を講じるところですが、巨大組織は往々にして必死に告発者捜しをする。逆にいえば、告発する人は『自分の身が危うくなるかもしれない』というリスクを負って週刊誌に情報を流している。そこにあるのは正義感です」

一般には誤解されがちだが、『週刊文春』はネタをお金で買ってきているわけではない。交渉にもそもそも応じていない。告発者側もお金欲しさに情報を流しているわけではないのだ
 

チョット調べた

 ２月１日
自民党の「銀座３兄弟」と称されていた松本純、大塚高司、田野瀬太道の衆院議員３氏は１日、離党勧告を受けた。銀座のクラブなどをハシゴして飲み歩き、それに絡む虚偽説明を行ったことの責任を取った。これは確か週刊新潮の記事だった。
公明党の遠山清彦衆議院議員
１月下旬に教え子の経営する銀座クラブに深夜出入りしていた。文春が報じた。
党の幹事長代理という要職を辞し、衆院議員を辞職した
２月１８日
まだ強者がいました。白須賀議員離党して次には立候補しないと明言。教え子が経営する高級ラウンジに深夜まで居座り「パパ活」をしていた。この人は自民党の問題児。
文春が報じました。

文春砲は､閉塞感の強い令和時代の寵児なのかな。

権力は必ず腐敗するのであれば文春も腐敗する。その時に備えて次の「文春」が出て来て欲しい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和３年３月２７日　　脱稿

追記朝日新聞の「日曜に思う」にこんな記事が掲載されていました。

田中角栄（ローキード事件で新聞から連日糾弾され「闇将軍」と呼ばれていたころの談話）

「新聞記者はどれだけたもとに入れても蛇は蛇、だぞ」