03日赤奉仕団講演会(骨粗鬆症 大豆アラカルト ヒマラヤ)
骨粗鬆症
4番目の話題は骨粗鬆症です。閉経期を迎え、女性ホルモンの分泌が急激に減少する女性層には骨粗鬆症に関心を持って頂きたい。程度の差こそあれ確実に骨粗鬆症は進みます。男性にも勿論ありますが、元々男性は骨量が多く、加齢と共に減少しても病的レベルには達しないことが多い。骨量の減少変化は女性に比べれば僅かです。
骨粗鬆症の症状
骨粗鬆症になっても痛みはありません
一番顕著な兆候は、背が縮む。背骨が曲がり始める。そして骨折しやすくなる。特徴的な骨折部位としては脊椎の圧迫骨折(腰椎>胸椎)、前腕の頭骨骨折(コーレス骨折)、そして大腿頸部骨折などです。
骨は活発に新陳代謝を繰り返しています。これを「骨代謝」と言います。
大まかに説明します。
① 古くなった骨に「破骨細胞」が働き始め、古い骨を壊す
②古い骨を溶かし骨吸収が始まる
③ 骨芽細胞が壊された骨の部分にくっつく。新しい骨を作る。
④強固な骨が形成される。新しい骨の誕生
①に戻る
女性ホルモンは骨吸収を抑制し、骨形成を促進させて骨代謝のバランスを保つという大切は仕事をしています。
もう少し簡単に分かりやすく図示してみました。
約、半年の周期で骨吸収と骨破壊を繰り返して、全身の骨を造り直しているのです。
ところが、 閉経すると「骨を破壊するスピードが、形成するスピードより勝り始めます」その結果として骨密度の低下が起きます。骨が脆くなり骨粗鬆症が始まります。
骨密度と骨質のバランス
骨密度 カルシウムの量 骨量を増やす
鉄筋コンクリート建築のコンクリート
骨質 繊維状のコラーゲン 骨質を高める
鉄筋コンクリート建築の鉄筋
コラーゲンは美容に関係ある物質として知られていますが、骨の強度を支える重要な物質でもあるのです。 私たちの骨の構造を鉄筋コンクリートの建物に例えると、カルシウムはコンクリートに当たり、コラーゲンは鉄筋に当たります。骨を強くするにはカルシウムで骨量を増やすだけでなく、コラーゲンで骨質を高めることが必要なのです。つまり、「骨量(骨密度)+骨質=骨の強さ」ということになります。
ビタミンB6、B12、葉酸には、その効果があります。
ビタミンB6は、レバーやマグロ(赤身)、ニンニク、ゴマ、バナナなどに、
葉酸(B 9)は ノリや緑茶、大豆、モロヘイヤなどに
B12は サンマ、レバー、しじみなどの貝類に
、
骨粗鬆症の治療の基本は食事療法です。摂取する食物に留意してみて下さい。
カルシウムの多いもの、ビタミンDの多く含まれるもの、そして蛋白質も大切です。
皆さん意識してカルシウムを多く含む食べ物を摂取しておられると思いますが、カルシウムの吸収が悪くなってきています。
その為にはビタミンを多く含む食品の摂取が大切です。
ここでは納豆を取り上げて話をします。
骨粗鬆症と納豆
納豆の一人あたりの消費量が多い県ほど、大腿骨頸部骨折(股関節近くの骨折)の頻度が低い傾向がある、という大規模な調査報告があります。何が原因かと調べているとそれは納豆の摂取だったのです。確かに、ついこの間まで、西日本では納豆食べる週間は有りませんでした。私も高校卒業するまで食べたことがありませんでした。大学の夏休みに戻ってきて早速八百屋さんに「納豆」を注文した。返って来た返事が奮っていました。「うちは食料品店だ。ナベやカマは売ってない」「?」「?」
2.3日したら厳重に匂いが洩れないように包まれた納豆が届きました。
「そうだ!」「そうだった!!」と相槌を打って頂けると思います。
父も母も納豆は食べませんでした。ともかくも左側の藁入りの時代の納豆はくさかった。
また、日本人のカルシウム摂取量が欧米人よりはるかに少ないにもかかわらず、大腿骨頸部骨折の発生頻度は日本人の方が少なく、体型や生活習慣の違いとともに、ビタミンKの摂取量(納豆の摂取量)がその理由の一つとも考えられています。骨の形成に必要な「ビタミンK2」は、干し魚や味噌などにも少しは含まれていますが、微々たるもの。食品から「ビタミンK2」を摂取するなら、納豆がいちばんいいでしょう。事実『グラケィ』という納豆から精製したビタミンK製剤の薬も売り出されています。今や、日本の食卓にはなくてはならないものになりました。
治療薬には色々のものがあります。閉経を迎えたばかりの女性にはSERM(選択的女性ホルモン受容体モジュレーター)と呼ばれる製剤をお勧めします。女性ホルモンの中の骨粗鬆症に有効な成分のみを薬剤にしたものです。乳癌の発生予防効果もあり、脂質代謝にも好影響を示します。骨量を高めると共に骨質(コラーゲン量)の増加にも好影響があるようです。
75歳以上の方、或いは他にも沢山の薬剤を服用中の患者さんにはビスフォスフォネート剤をお勧めしています。1週間に1回、一般的には1ヶ月に1回、早朝空腹時の服用で充分です。服用後、30分間の飲食・食事は禁止ですが、出来れば60分間がベターです。3週間ほど前の「ガッテン」でこんな内容を放送していました。
ところで、3週間ほど前(6月5日)の「ガッテン」でこんな内容を放送していました
大豆が素晴らしい食品であるという認識は持っていましたが、まさか・まさかの内容でした。
テレビを観ながら撮った写真です。ご容赦ください。
「心臓病予防&筋力アップ! 健康長寿をかなえるスーパーフード!?」
食べるだけで健康長寿!?今注目の食材・大豆!
運動しなくても筋肉増強!
脂質吸収抑制!
心臓疾患死亡が減少
右側の写真を見て下さい。テレビ画面と共にしまい忘れたストーブも移っています。証拠写真です。
いつもの私のはったりではありません。
大豆たんぱくが最も豊富な食べ物
納豆 豆腐 味噌汁 豆乳
2週間の宇宙旅行・・・全身の筋力の低下で歩けなくなってしまう。NASAが中心になってそれを防ぐ大規模な研究が行われてた。 徳島大学の??先生(忘れちゃいました)
何もしないのに筋力の低下を防ぎ、増える食物がある。
それが『大豆』である事を突き止めていた。
大豆にまつわる驚きの研究成果。第2弾 京都大学の家森先生の世界的業績です。
大豆の摂取量が多いほど心臓疾患の死亡が少ない。大豆を沢山食べる日本人に心臓疾患死が一番少ない。
FDAで認められている。
註
SHR(自然発症型高血圧ラット Spontaneous Hypertension Rat)の産みの親として有名な世界的な実験病理学者。
SHR-Sp(Spontaneously Hypertension Rat ーSTROKE pRONE)も作られた。番組でも紹介されていたが24時間用を採取できる装置を作って、世界中の民族、住民から尿を採取して研究をされてきた。京都大学-島根医科大学教授だと思っていたら京都大学に戻っておられた。
八百津町・久田見の伊藤豆腐店の豆腐とあぶらげ
豆腐は300グラム、あぶらげは100グラムある。美味しくて大豆たっぷりである。
普通一般的な豆腐と大豆がこれほどの重量があると思ってはいけない。
大豆をいつも摂取するには蒸し大豆が最も便利である。炒った大豆は喉に引っかかって咳き込んでしまう。かと言って大豆は生のままでは栄養分としては全く吸収されない。お勧めは蒸し大豆です。
大豆20グラムを計測してみました。このくらいの量を食べましょう。
講演会では割愛したところを掲載しました。
大豆イソフラビン
~エストロゲンをサポート~
☆大豆イソフラボンの働きは?
更年期障害を予防・改善
大豆イソフラボンを多くとっている人は、ホットフラッシュ(更年期障害による、ほてり・のぼせ)が見られにくいという報告もあります。これは大豆イソフラボンの化学構造がエストロゲンとよく似ており、不足したエストロゲンに代わってその受容体と反応し、補足的に働くために更年期が楽になると考えられています。
美しい肌を作る
ガンのリスクを下げる
最近、大豆イソフラボンがガンの予防に効果のあることが明らかになってきています。
乳ガン・子宮ガン・卵巣ガンの発生率も、大豆製品を多くとる日本や中国のほうが欧米よりも低く、大豆イソフラボンの摂取量とガンの発生率とは、大きな関係があると考えられています
骨粗鬆症を予防
骨粗鬆症の予防には、適度な運動や日光浴を行ったり、骨の元となるカルシウムをしっかり摂ることはもちろん、そのカルシウムの流出を防ぐエストロゲンの働きを、大豆イソフラボンでサポートすることも大切です。生活習慣病を防ぐ
食の欧米化が著しい近年、日本人の血中コレステロール値は増加の傾向にあります。中高年だけではなく若い人もコレステロールには要注意!積極的に大豆イソフラボンをとって悪玉コレステロールを排除。血液サラサラの生活習慣病予防をしましょう。
やる気をサポート
脳の血液循環をよくし、脳細胞自体の働きを活発にする働きのあるエストロゲン。記憶力を高めてやる気を起こす働きもあると考えられています。
女性ホルモン(エストロゲン)と同じ働きをすることで注目されている「イソフラボン」は、大豆のままより、発酵して納豆になることで、より体内に吸収されやすくなります。
やっぱり『納豆』ですか。 西日本文化で育ってきたものとしては残念な気がしますね。
蛇足の蛇足
講演時間1時間から1時間30分というのは、非常に難問でした。そんな長い時間人前で話をしたことが有りません。練習の仕様が有りません。大きな、長いバッファーを最後に用意しておくことにしました。以下の画像はその緩衝材として用意したものです。
これら5枚の写真は本来は動画です。動画を掲載できるかもしれませんが、取り敢えず写真です。
1979年の弘前大学山岳部からコルム遠征隊の記録です。。小生30歳の折の人生の冒険です。
心に余裕があったら少しづつ説明文を加筆します。
令和元年7月3日 脱稿