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コロナ罹患の副産物  その2 「ドライブ・マイカ-」

 

 ドライブ・マイ・カー
                  家福  西島秀俊  音  桐島かれん
                  高槻君 岡田将生  みさき 三浦透子
                  韓国人    聾唖者
                  サーブ99  ターボ  1.6L

 
妻、音(桐島かれん)とのセックスで始まる。性交の後、音はいつものように取り憑かれたように物語を語り始める。翌朝目覚めた彼女には記憶が無い。それを夫、家福が話して聞かせる。書き留める。本にして出版。夫 家福は俳優であり劇作家、演出家。音は元女優、4歳の長女を肺炎で亡くしている。今は作家であり、脚本家。
家福の愛車はサーブ99ターボ16L・赤。このサーブが主役、柱の映画です。あのジェット機を作っているスウェーデンのメーカーです。リアーのハッチバックはバンパーから持ち上がる。サブの主役はもう一つ。「みさき(三浦透子」と家福の薫らすたばこです。いいアクセントですね。
音が楽屋に高槻君(岡田将生)を連れてくる。彼は家福のファンだという。
ロシア行きの飛行機がキャンセルされ家福は家に帰ってくる。音はセックスの真っ最中である。勿論家福の知らない男性である。そのまま家を後にして成田のホテルで泊まる。彼は赤のサーブの中で仕事の台詞のカセットテープを聴いて記憶するのを常としている。
或る日、音に今晩帰ったら話があると言われたが「不安」「予想がつかなくて」直ぐには帰らなかった。帰ってみると音は倒れていた。SAHで死亡する。家福にはまっすぐ帰っていれば音の命を救う事が出来たはずであるという後悔の念が渦巻いた居る。
それから2年後、広島で演劇公演の演出の仕事がはじまる。 コーディネイトしたのは韓国人(高木毅そっくりの顔貌)ユンさん 妻は聞き取れるが喋れない韓国人・シュワ)
演劇の題目 チェホフ「ワーニャー叔父」
(英語・韓国語・中国語・日本語)  会場の上に字幕が掲示される。
彼の演劇はいくつもの言語が飛び交う「多言語演劇」という独特のものです。
専属のドライバーを連れてくる。運転手は寡黙な女性みさきである。(地味、笑わない)自分で運転すると言って断ったが、同乗してその運転技術に魅了される。北海道出身。中学校の時から母親の送迎(夕方と早朝1時間。)母は札幌で水商売。運転が下手だと暴力をふるわれた。重力を全く感じない。車に乗っていることを忘れてしまうほどだ。運転手を頼む。オーディションで配役を決め、音読から始める。高槻をワーニャー薬に抜擢する。
或る時、誘われてホテルのバーで高槻と飲む。彼は音を褒める。恋をしていた。素敵な女性。家福さんに嫉妬  写真を撮っていた青年に突っかかる高槻。その次には写真撮影の男性を殴り飛ばし傷害致死(さっぱり分からない)・・何を意味しているのか分からなかった。
2回目の話し合い
この時、おとの最後の物語 生前がヤツメウナギだったという女子高校生が彼氏の家に空き巣に入り、「しるし」を残して帰ることを繰り返していた。自分の下着をタンスの一番奥に置いてきたこともある。かれにの屋で自慰行為をしていたら本物の空き巣が入ってきて犯されそうになった。鉛筆で眼を指した。ナイフであちらこちら刺して殺した。が、翌日彼氏は何事もなかったように登校。家福は話の途中までしか知らなかった。歯ぎしりするほどの悔しい気持ちである。自分が音の事は一番知っているつもりだったが・・・。
家福は言う
素敵な女性だった。20年も一緒に過ごせた事に感謝。理解し合っている、愛し合っている相手でも相手の心を覗く事はできない。
高槻は言う
本当に相手の事を知りたいと思うので有れば、自分指針を詳しく見つめる事。それだけだと思います。
 舞台稽古の劇場に警察が踏み込んでくる。高槻を傷害致死で連行する。代役を拒否する家福だが、それ以外に選択肢はないかも・・・・「落ち着いて考えられる場所に連れて行ってくれ」という家福に、サーブのボンネットを「ゴン・ゴン」と叩くみさき
北海道の彼女の生家までのドライブ
妻殺しと母殺し(家が土砂で流された時自分は助かった。母が土砂の下に埋もれている事を知りながら何もしなかった)の2人のドライブ旅行。青函連絡船  北海道は雪。実家の周りは積雪状態。土砂で押し流された家を見上げる裏や山に登り花を手向ける。そしてたばこを添える。
家福は始めて「みさき」に手を差し伸べる。
みさきの話
時々  「サチ」が出てきた。母の演技なのか心の病なのか、地獄のような現実を生き抜く術だったのか分からない。
みさきは語る
 音さんの全てを本当の音さんとして捉える事は難しいですか?
そうゆう人だったと捉える事は難しいですか。
家福さんを心から愛していたことも、限りなく他の男性を求め続けた事も全てを受け入れられませんか。
家福
もう一度音に合いたい
あって話をしたい。
でももう遅い
この場所で聞くその話は家福の心を激しく揺さぶりました。彼の口からは次々と言葉が湧き出てきました。

「僕は正しく傷つくべきだった。本当をやり過ごしてしまった。見ないふりを続けた。だから音を失ってしまった。永遠に。生き返ってほしい。もう一度話しかけたい」

チェホフ
生きていくより仕方ないの
長い長い間    生きていきましょう
私達は苦しみました
ソーニャであるユナがワーニャの家福を背後から抱きしめるように、手話という言葉で語りかける姿はとても感動的です。


韓国のスーパーマッケットで買い物をするみさき
待ち受ける  ユン夫妻

スピーカーに響いてくるエンジン音  
家福とみさきは北海道の彼女に家までドライブする。

村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した濱口竜介監督・脚本により映画化。
2022/08/25
コロナ謹慎中    2回観ました。

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