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ジェネリックメーカ-大不祥事事件 その 1年後 欠品状態拡大

12月7日(火) 中日新聞の一面には

ジェネリック医薬品が足りない 相次ぐメーカー不祥事が影響

の記事が掲載された

 昨年から今年にかけて、ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの不祥事が相次いだことを受け、全国で薬の供給が滞っている。出荷停止が続き、国が使用を促し普及した後発薬の生産量が回復しないためだ。医療機関は先発薬も含め代替薬で対応するが、薬の変更で体調を崩す患者も。現場からは「在庫がいつまで持つか分からない」と悲鳴が上がる。 

双極性障害の女性の窮状が具体的に掲載されていましたが、精神神経科の患者さんが今回の『ジェネリック薬品欠品』事件の一番の被害者だと思う。たとえ同じ成分であっても薬が変更されることに対する抵抗を感じやすい。ましてや類似の薬品への変更は体調不良を

来しやすい。そう思う。  長期化が心配。薬の変更について患者に説明するなど毎日対応に追われている」と明かす。

 日本ジェネリック製薬協会の担当者は「雪だるま式に需要が需要を生んでいる」と強調。業界は増産に力を入れるが、間に合っていない。

厚労省は「増産を命令する権限はありません。後発薬大手の供給が通常通りにならないと、供給不安は解消されない」と素知らぬふりをしたままである。「ジェネリックを推進してきた国は、責任を持って薬の供給状況や見通しなどの情報を公開し、製薬業界への指導監査をすべきである。

特許の切れた先発薬と同じ有効成分を含む後発薬。効き目も同等とされる。開発費を抑えられるため先発薬に比べて値段が安い。患者の費用負担や国の医療費を減らすことが期待され、国が使用を推進してきた。先発と後発の両方がある薬でのシェアは約8割。

12月10日

  NHKのウェブサイトの記事から

大手の調剤薬局の薬棚には、あちこちに「欠品中」、「欠品予定」と書かれた札が貼られていました。これはただ事ではないと直感しました。

 不足している医薬品はあらゆる分野の薬に及び、ジェネリックだけで無く、先発品にも欠品が出始めているとのことです。約160品目、約1割にあたるということです。今のところ充足されているのはジェネリックが発売されていない先発品だそうです。ことしの春ごろから調達がおかしくなり始め、9月ごろからは慢性的な不足状態に陥っている。薬の確保に一日中奔走しているとのことでした。

不足し、欠品状態になっているのは「ジェネリック医薬品」=後発医薬品です。やむをえず別のメーカーが製造する同じ成分の薬や価格が高い先発医薬品に切り替えて発注するケースも相次いでいる、それも全くの綱渡り状態だとのこと。

 日本製薬団体連合会が1月、医薬品約15.000品目の供給状況の調査結果を発表しましたが入手困難となっているのは、実に全体の約20%にも及ぶそうです。

 

 ことの発端は1年前の去年12月に発覚した、福井県のジェネリック医薬品メーカー「小林化工」が製造した水虫などの真菌症の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した薬(しかも混入された睡眠薬は常用量より数倍多かった)をそのまま出荷し、医療機関で処方された事件です。あまりに杜撰な製造工程の管理に、この日本でそんな想像を絶するような違反が常態化していたことに医療関係者は、恐れおののき、驚愕しました。そして、服用した患者さん達には青天の霹靂のような副作用が出ました。健康被害です。居眠り運転事故、意識喪失等が頻発して起きた。そして死亡者も出ました。『おかしい』『何かおかしい』と不審に思って丹念に調べていって最後に突き止めた。それが抗真菌薬だった。全員が小林化工の抗真菌剤を服用していた。そんな症状を健康被害が出た人は全国各地で245人でした。 工場の製造管理は『口あんぐり』『そりゃ無いだろう』と言いたくなるような有様でした。国の製造承認方法とは全く異なる製法、手段で製造していたのです。

 それでもこの会社だけで『ピリオド』が打てれば良かったのですが、火の手は拡がりました。、別のメーカーでも製造工程での問題が見つかり、富山県の「日医工」をはじめ「北日本製薬」「長生堂」等4つの企業が業務停止命令を受けました。

『日医工』の業務停止命令は大きな影響を及ぼしました。ジェネリックの3大メーカーのひとつだったのですから日本全国供給不足になりました。違反摘発を免れたメーカーもおいそれと増産は出来ません。しません。

 

 

12月11日(土)

朝のモーニング・ショーでも医療用薬品の不足のニュースを特集

 

12月12日(日)

   後発医薬品中心  3100品目  品薄

     薬メーカー  不祥事続く

朝日新聞も一面に掲載しました。

3大地方新聞の「雄」中日新聞、テレビマスコミの中心的存在であるNHK、3大全国紙のひとつである『朝日新聞』この3大マスメディアにごく短期間にトップ記事で掲載されました。

12月13日(月)

後発薬不足、倉庫火災が拍車 大阪で4日延焼

先月大阪の此花区で起きた大規模倉庫(複数の製薬会社が薬を保管していた大規模倉庫)が、11月29日から今月初めまで4日間延焼。各社の被害は大きい。被害を受けた製薬会社は「残念ながら最悪の事態を想定すると、大きな影響を受ける可能性が非常に高い」「このままでは安定供給に支障を来す』と通達を出したほどである。半導体不足は世界的規模である。薬の不足は日本国内の問題である。が、私達の歳勝に大きな影を落としている。半導体不足は世界的規模である。薬の不足は日本国内の問題である。が、私達の生活に大きな影を落としている。

小括

タカさんもこの1年間の間に集めた資料と暖めておいた私の考えを何回かに分けて公開します。

医療関係者の1人として、医療の世界にどっぷりと漬かって生活すること50年の医師として私達が築き上げてきた医療に対する信頼を完膚なきまでに打ち壊した所業に憤慨もしたが、攻められるのはジェネリックメーカーだけなのかという反省もした。結果として躊躇って1年を過ごしてきた。

小林化成のジェネリックは使っていました。日医工の薬は大手である事からより信頼して採用していました。裏切られたと言うよりも情けなかった。15年前までは後発品は『ゾロ』と称され『安かろう。悪かろう。ゾロ薬品』と蔑まれていました。製薬業界の努力による製品の向上、厚生省の後発医薬品の推奨製作等により、『ゾロ薬品は使わない』という強者の医師も少なくなり、本当に市民権を得てきていた。経口の真菌治療薬を服用して意識が無くなったり、交通事故を起こしたり、果てには死亡者も出た。評判の回復は容易なことでは無いだろ。

毎年貰っていた小林化工の年齢早見表(重宝していました)

来年からどうしたものかと思案しているところです

                                 令和3年12月3日  脱稿

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