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コミナティ(ファイザーのワクチン)の高い有効性

新型コロナウイルスワクチン( コミナティ ファイザー社製)に関する説明会」

3月10日、午後1時30分から、八百津町役場の二階で岐阜県健康福祉部感染症対策推進課ワクチン接種対策チームの指導で「新型コロナウイルスワクチン( コミナティ ファイザー社製)に関する説明会」が各自治体単位でリモート形式で開催されました。 今回のワクチンのことが未だに十分に理解出来ないタカさんとしては少しでも知識を確実なもののしたいと参加を希望しました。

    ・ワクチンの接種運営について
    ・ワクチンの取り扱いについて
    ・ワクチンの副反応について
    ・ワクチンの臨床試験結果について
のことが県とファイザー社の担当者から説明がありました。そして質疑応答です。
神渕の山田先生が最初の質問をされました。運搬のことを尋ねられました。
東白川の北川先生も一番最後に副作用のこと、妊娠適齢期の女性への接種のことを詳しく尋ねられました。その他、アナフィラキシーショックの症例のこと、ワクチンの作用機序などの質問もありました。
私も、浅学非才の身なれど、ずっと不思議に思っていることが有ります。質問したかったが、岐阜県中の自治体にリモートで通じているのかと思うと「ミュート」を消して発言する勇気は有りませんでした。

私の訪ねたかったことそれは、「、何故、ビオンテック・ファイザーのコロナワクチンは有効性が高いのか」という根本的な事項です。

予防接種の意義

新型コロナワクチン(コミナティー)を何故接種するのか
接種を受けた個人にとっては
①感染予防 ②発症予防 そして③重症化予防があげられる。
これまでの治験と接種開始後の統計データーからすると② と ③の効果は確かめられている。①の発症予防効果の証明は困難である。

集団(地域、国、そして世界)としては
集団免疫の獲得である。7割から8割の人口がコロナウイルスに感染して抗体を獲得、或いはワクチン接種によって免疫を獲得することによって、免疫の無い人も感染から守られる。
この両面の効果を期待して接種を受けましょう。

コミナティへの期待

ビオンテック・ファイザー開発の新型コロナウイルスワクチンの発症予防効果と重症化予防効果が非常にすぐれている。どれくらい効果が有るかと言えば、95%の高い有効率が証明されている。例年接種を繰り返しているインフルエンザワクチンの発症予防効果、重症予防効果はは60-70%である。
患者さんに聞かれたらこんなふうに答えてきた。
「感染は防げないが発症を抑えますよ」
「ワクチンを打ってもインフルエンザに罹る方は沢山います。でも重症化を防ぐことは出来ている。だから接種しましょう。」
「接種しておけば、寝込まなくて済みます」
ワクチンでお茶を濁す訳ではありませんが、ある意味の「免罪符」的な要素がある事も確かである。

同じRNAウイルス感染症に対するワクチンに対する効果と思うほどに違う。これ何故なのだ。

ワクチンの基本設計

インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンは流行予定のワクチン株を培養してホルマリンで不活化したのが全粒子ワクチン(アメリカで使用)、ここから脂質を取り除いたのがスプリット・ワクチンであり、精製して安定化させたのがHAワクチンである。つまり不活化ワクチンである。
コミナティー
一言で言えば、mRNAワクチンは、細胞のタンパク合成プロセスによりウイルスの一部(抗原)を産生し、免疫応答を引きおこすように設計されている。

コロナウイルスの表面にはスパイク蛋白質がある。この蛋白質に対する抗体を作れば免疫を誘導することが出来る。ウイルスの中のRNAの中で、スパイク蛋白質の形成に関与する部分を同定して、同じものを人工的に造る。これをmRNAに転写する。ワクチンの場合、このmRNA(スパイク蛋白質形成指示体)を保護的脂質で包み込む。非常に毀れやすいため保護する必要があり、ワクチンを接種するとワクチンは人細胞と融合してmRNA放出する。細胞中のリボソームが取り込む。リボソームがmRNAを読み込んで蛋白質(ウイスル抗原)を作る。この蛋白質が細胞から漏出しスパイクを作る。抗原として提示する。免疫系はこのスパイク(抗原)を認識してそれに反応して抗体を産生する。
B細胞が活性化されて液性免疫の中和抗体が作られる。この抗体は人細胞へのウイルスの感染を防ぐ。細胞障害性T細胞も活性化される。この細胞はウイルスに感染した細胞を排除する。

こんな仕組みでコロナウイスル感染をブロックするのだ。
この作成上の根本的な差違が、有効率の差になっているのだろうね。

これからのワクチンはこんな仕組みで作られていくのだろうか。そうするとワクチンの有効率も非常に高いものになりますね。エボラ出血熱のワクチンも、HIV感染のワクチンも期待出来るということなのかな?

 

                                      脱稿  令和3年3月11日

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