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木澤病院のクラスター

木澤病院のクラスター

2月2日 (火曜日)
入院患者  3名、 医師  1名、 看護師  2名 合計6名の患者さんの発生が発表される。こりゃ大変だぞ。一番神経を使って診療をしている病院で感染が拡がったということは如何に制御が難しいかということだ。早く鎮まって欲しい。

2月3日(水曜日)
新たに32名の患者さんが発生する。クラスターと認定される。

2月6日(土曜日)
新たに15名、合計  57名の大クラスターとなる。
救急外来を一時封鎖される。一般外来は従来通りとの発表があり、ファックスが届く。
「安全・感染体制をより確実にするために、2月8日(月)~14日(日)の外来診療は予約診療のみとさせていただきます。」
15日以降本日28日(日)まで一般診療が再開されることはなく、救急外来も、一般診療外来も閉鎖状態である。
2月8日(月曜日)
慢性腎不全と糖尿病の患者「S」さんを特養「夢眠」の看護婦さんが木澤病院に移送した。そのナースの話では、病院中の電話が鳴りっぱなし。殆どが問い合わせだそうです。外来診療をやっている時間がない様子だった。兎に角大騒動でした。落ち着くまでには大部時間が掛かりそうですね。患者さんはまだまだ増えているようです。
この日、佐藤クリニックの抗原検査で,6例目の患者さんが見つかる。
会社で陽性患者が2名出た。濃厚接触者ではないのでPCR検査の対象にはならなかったが、頭痛がひどい。土曜日から痛みが続いている。熱はない。その他の症状なしの男性(54歳)である。検査キットは瞬時に陽性と判定された。結果を告げると本人は「やっぱりそうか」という思いと「そうだった」かという落胆の表情。心配はないですよ。多分西濃地区の「ホテル紅葉」に収容だと思いますと話す。厚生省のHER-SYSに登録する。ファックスで保健所に連絡する。結構大変な作業である。6例目なので事務職員も手慣れてきた。
木澤病院の状態と当クリニックでの新たな患者の発生からするとコロナウイルスは蔓延していると考えた方が良さそうである。

2月10日(水曜日)
木澤病院のクラスター騒ぎは収まらない。入院患者、職員とその家族合わせて121名の大規模クラスターとなってしまった。入院患者さんも多いのが特徴だね。 鎮まる気配がない。連日全職員に繰り返しPCR検査を行っているが、昨日陰性だった人が陽性になっていく。疑心暗鬼になってしまいそうです。
始まりは、一般病棟の人工呼吸器をつけていた患者さんが感染源のようである。入院時にはPCRは陰性だった。そのまま、非感染者として治療を続けていた為に、どんどん拡げていった。そこが、感染源となり感染が火の粉の如く拡大した。そんな風評(事実)も聞こえてきたがありうる話だね。 隔日のPCR検査で鼻の穴が痛くてしょうがないという笑えないエピソードも聞こえてくる。
 今日の午前中終わりに診察したKさん(激しい心窩部痛と嘔吐 WBC14500,CRP3.5)も太田病院にお願いしました。病院の中枢で指示する山田DR、青山DR達の苦悩は如何ばかりだろうと慮り。心を痛める。
 医師会事務局のにも問い合わせる。気が気でない様子である。木澤医師会長はお元気なようです。この感染症を克服するにはまずワクチン接種だね。ワクチン接種して抗体を自分の体内に作って免疫力をつける。その抗体を「壁」として「盾」として、ウイスルの勝手し放題、縦横無尽の振る舞いを押さえ込む。それしかなさそうですね。

2月12日(金曜日)
 「PCRセンター当番医」の勤めを果たしたその帰路、木澤病院に激励に行く。何のお手伝いも出来ません。出来るのはのお世話になっている先生方への、看護師さんへの激励ぐらいです。循環器に青山先生をお尋ねしました。

            木澤記念病院 医局 御中へ

                            陣中見舞い
                           
                              コロナ感染症との戦い
                                       
                              本当に御苦労様です
                                       
                            1日でも早い完全な封じ込み
                                       
                                      と
                                       
                        全面的な診療再開を待っております
                                       
                      私からの支援の気持ちの差し入れです
                                       
                            気分転換になれば幸です
                                       
                                        佐藤クリニック
                                 
                                      院長  佐藤孝充

持病の難治性の頭痛にタリージェが著効し、それ以来私を信頼してくれていた直腸癌の高齢男性の患者さん。「ふっ」と気になり電話する。息子さんから「コロナで死んだ」「木澤病院に入院していたがコロナが進行し、岐阜市民病院に転院した」言葉を失ってしまい、弔意を表することも出来ませんでした。この方の話は3.4名の方から聞きました。
16日(火)
モンスター的クラスターです。187名に拡大。木澤病院の予約診察患者さんには充分注意するように話します。緊急でない患者さんには受診を控えるように説明をしています。病院クラスターとしては4番目の大きさだ。

最大のクラスターは戸田中央総合病院の313人です。
令和2年11月17日に最初の陽性者が見つかる。終息したのは令和3年1月18日
発症から終息宣言まで丁度2月です。
その次は、旭川厚生病院の311人です。
令和2年11月21日に最初の患者さんが発生。終息は令和3年1月27日(水)です。
2月チョットですね。
永寿総合病院の214名です。
令和2年3月23日に最初の患者さんが発生しています。最後は5月9日頃です。
最初の大きなクラスターだったので大ニュースになりました。

美濃加茂市の木沢記念病院で発生したクラスター(感染者集団)は、医療従事者や患者ら18人の感染が判明し、計187人に拡大した。
戸田中央病院などの例と比べるとまだまだ続きそうですね。4月まで続くかもしれない。
そんな不安も頭をよぎる。

22日(月曜日)
202名 まだまだですね。
娘さんが木澤病院に勤めている患者さん曰く「うちの娘は産科病棟に勤務している。コロナ患者の発生していない病棟は産科だけ」

23日(火曜日)
こんな話も聞きました。「妹の旦那が、腎不全で木澤病院で血液透析を受けている。感染しなければ良いがなぁと話していたら発熱した。関の中濃厚生連で検査を受け、コロナ陽性と判定され今入院している。」「妹と甥・姪は今日PCR検査を受けにいっている」

25日(木曜日)
新規に3名の陽性患者さんが発生、総数は225名になる。本当に300名になってしまうのか?
26日(金曜日)
1名増えて226名となる。
27日(土曜日)
2月3日のクラスター認定後、初めて新たな感染者の確認がなかった。
漸く、出口が見えてきたかな。1日でも早く診療を再開して欲しい。木澤病院に「おんぶにだっこ」「困った時の木澤病院頼み」を自認している佐藤クリニックとしては1日でも早い再開を望む。このまま2週間新たな患者さんの発生がないことを願う。

28日(日曜日)
岐阜県に発出されていた緊急事態宣言は解除される。関東地方の一都三県(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)の判断は持ち越されている。

                                   令和3年2月28日  脱稿

註 

この1ヶ月の間に、多くの患者さんを木澤病院以外の医療機関にお願いして、診療をして戴きました。

思いつつままに

85歳の下血の女性、炎症反応(WBC、CRP)が高いものの発熱・腹痛は認めませんでした。

75歳心窩部痛と嘔吐の男性
73歳男性 よく転ぶ。ころぶと起き上がれない。歩けるがフラフラする。頭痛もある。

30歳男性  夜間の前胸部痛。血圧も高い。コレステロールも高い。
33歳女性  無症候性肉眼的血尿
 記憶の糸はこれで途切れてしまいましたが、それ以外にもお世話になりました。
通常であれば、上記の患者さんは木澤病院に紹介状を書いていたと思います。
今更ながら、木澤病院の存在の大きさを実感しています。

1日でも早い通常診療を待っています。

電話・FAX

TEL.0574-43-1200
FAX.0574-43-9050