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新型コロナの講演会(ゴゴスマの看板コメンテイター三鴨教授)

               『COVID-19について」
              愛知医科大学病院 感染症科  三鴨 廣繁 教授
       
                                 令和3年1月23日 

三鴨先生の印象
三鴨先生のウェブ講演は、大変面白く,且つ興味深いものでした。先生のご尊顔は平日午後の情報番組『ゴゴスマ』で何度も(毎日)見ています。又聞こえてくる声量から、三鴨先生だなと察知出来るほどに,日本全国にその名を,その声を知られている愛知医科大学の感染症科教授です。開業する前の愛知医科大学時代にお顔を拝見したことがあるかもしれない。先生の特徴ある太くてチョットだけダミ声,そして声量たっぷりの講演は圧巻でした。ウェブ講演は原則余り好きではありませんが、今回は食い入るように画面を見つめ、聞き漏らすまいとした。あの体格と響きわたる音量と自説への押しの強さで何処の会議でも主役でしょうね。話しも上手でした。視聴者の興味を惹きつける工夫を充分にしておられました。非常に分かりやすい講演会でした。
前置き
講演の印象に移ります。一番肝心で、重要なところは聞くことに必死になりスライドを映像に残すことが出来なかった。先生の力説したかったところは抜けているかも知れません。真に、画竜点睛を欠く。羊頭を掲げて狗肉を売るの如しですが、ご容赦下さい。
 感染症
最初のスライド『WHOの警告『我々は、今や地球規模で感染症の危機に瀕している。もはや、どこの国も安全ではない』が衝撃的でした。1996(平成 8年)年の警告です。
 私はこの1年、いつも言ってきました。『医学は随分と進歩してきた。それは確かだ。しかし、医学が撲滅した病気は、感染症は、天然痘だだ一つだけだ。感染症を甘く見てはいけないのだ」と・・。母校である弘前大学の内科の教授の口癖を吹聴していましたが、タカをくくっていました。WHOが大騒ぎするほどのことはないと・・・。SARSは1年半で鎮まった。MERSもエボラ出血熱も感染拡大は防いでいる。閉じ込めている。鳥インフルエンザも『人-人』感染は防いでいる。大丈夫だろう。今日のこの事態を危惧し備えるべきだと叫んでいたのはビルゲイツぐらいかと思っていました。
 疫学
季節性インフルエンザでは無症状の人は10%ぐらいであるが、COVID-19は60~80%、致死率の0.1%以下と1.3から2.5%、実行再生産数も少し高い。
コロナウイルスは基本的に上気道感染(主に鼻風邪)だが、下気道感染を起こすものがある。SARSであり、COVID-19である。致死率では若年者は予後通い。80歳以上では15%近い死亡率。
 検査データー解析
初診時の検査データーでは、リンパ球1.000/μL以下、D-ダイマー 1.0MG/L以上が予後不良因子である。
抗体検査 これまでのIgG、IgM だけではなくてIgA,トータルIgの測定の出来るものを開発中である。そして無症状、軽症患者さんではウイルス抗体価が低く、回復早期に陰性化する(再感染する可能性が高い?)40%ぐらいで陰性化する。
 治療薬
9種類の薬剤の説明をされました。認められているのはレムデシベルとデキサメサゾンだけである。吸入ステロイド薬オルベスコは効果が否定されている。現在使っていない。
セファランチンは放射線治療時の白血球減少症の薬だが、使用経験はない。マムシに噛まれた時の薬剤としても承認されているが、認知症に効果が有るのではないかと私は密かに期待している。細網内皮系(弘前大学第一病理学(元)永井教授の語専門領域です)の賦活剤です。中外製薬のIL-6阻害剤であるアクテムラは最近英国で承認された。JAK阻害剤も有効性が議論されている。
イルベメクチン
 かなり有効な薬である。全症例に使っている。投与は体重換算で1回で済む。三鴨教授で4錠だそうです。作用機序のことも話されたが記憶無し。予防効果も有りそうです。終わってから探してみました。
河川盲目症(オンコセルカ症)の治療薬としてイベルメクチンを配布した地域としなかった地域でCOVID19による死亡数が、配布した地方で極めて少ないという疫学調査から脚光を浴びている。欧米など26カ国で治験が始まり、ペルーでは承認された。重症化を防いだり、致死率が下がったりする効果が報告されているという。「重い副作用の報告はない。安くて発展途上国でも広く使える」と話す。北里大学からも申請が出される予定である。特に早期の治療が有効のようです。また、予防投与も有効であると記載されています。
 アビガン
かなり詳しく、熱を入れて力説されました。藤田医科大学の土居先生の臨床治験のことも残念という気持ちがひしひしと伝わりました。統計学的には有意差がなかったかもしれないが、臨床家として1日でも早い解熱とウイルス消失は、大きな魅力だ、捨てがたい。私は使っていますとはっきり言われました。ロシアでの治験では統計学的に有意差をもって有効であるとして5月に認可されている。中国からも同様な論文がある。
 レムデシベル
WHOは『入院例へのレムデシベルの投与を非推奨』と判断。
効果が認められなかったと発表したが、それは全体を見ていない。重症になってからではなくて中等症の状態で積極的に投与している。副作用のことは言われませんでした。
 ワクチンについて
RNAは非常に毀れやすい。ワクチンにするのは大変であり、保存は厳重な管理が必要である。副作用もあるだろうが、やらないと集団免疫を形成できない。私は接種を受けます。
RNAワクチンもDNAワクチンもこれまでに使用経験がありません。全く未知の世界です。当然色々の副作用がある。ベクターワクチンは使用経験があります。大阪大学の松下教授とアンジェスが中心になっているDNAワクチンも来年までには準備が整うと思います。
一番期待しているのは、塩野義製薬が治験を始めた『遺伝子組み換え蛋白質ワクチン』です。日本国内で治験を始めたのだが、日本ではダメだ。
 予防法
緊急事態宣言第2弾が出されたが、まだまだ不用・普及の外出が多い。自粛が不十分だ。
処罰も必要だと思います。法律で決めないと守れない。日本学術会議のメンバーなので極秘だとのことでした。
                   令和3年1月24日  脱稿 

 

追記

合併症の話の中では血栓症のことを詳しく話されました。その中で爆笑問題の田中裕二と太田光を間違えて話されました。(新型コロナに感染したのは太田晃ではなくて田中裕二です。奥さんの山口もえはファッションモデルではなくて、タレント、女優です。)講演会の枝葉末節の末節のことです。重箱の隅を突っ突いてご免なさい。

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