佐藤クリニックロゴマーク

タイム誌「今年の人」 少女グレタ

世界を席巻する若い女性のパワー

救世主 ジャンヌ・ダルクかはたまた「ウーマン・リブ」の再来か

いま時の人   グレタさん      16歳   スウェーデン

一風変わった若き女性の行動が世界的に注目を浴びている。何が彼女をそうさせているのか私にはよく分からない。

彼女の行動に反対しているのでも、異議を申し出ているのでもない。ましてやブラジル大統領・ボルソナーロのように「ガキ」呼ばわりをするつもりもない。彼女の行動の衝動は何だったのだろう。

ひょっとして「神の啓示」があったのか?

「キリストのお告げ」を聞いたのだろうか?

 世界に風穴を開けるのは発達障害者(阿諛して表現しているのではありません。世界の文明の不思議と思われること、例えばナスカの地上絵、等は彼等の謂わば超能力による仕事だと解釈すれば納得が出来る。)だろうか

彼女はアスペルガー症候群と診断されている。彼女はその事をスーパーパワーと称している。

雑誌ネイチャーが選んだ2019年「今年の10人」の1人に選ばれた少女である。その名前を見聞きした人も多いだろう。

去年(2018年)頃から彼女のチョットエクセントリックな行動がテレビの画面や新聞紙上を賑わせている。現在弱冠16歳のスウェーデンの女性(女の子)である。地球環境、特に地球温暖化に対する危機感を少し変わった視点から鋭く指摘している。歯に衣着せぬ物言いが共感を呼んでいる。母国スウェーデンから拡がりヨーロッパ全般で若者の共感を呼んでいる。度々、国連の会議にも参加してスピーチをするほどにその発言には世界中が注目している。国連のグレーデル事務総長などは全面的に彼女を支持している。危機感を煽り立てる独特な表現が、地球環境問題にチョット食傷気味だった世界の政治家の、知識人の胸をついているのだろう。行動もチョット代わっている。変わっているというより「言動一致」している。温室効果ガスの排出が多い飛行機の利用を控える。肉を食べないようにするなど日常生活でも二酸化炭素排出量の少ないライフスタイルを実践している。

2018年8月20日

ストックホルムで、授業のボイコットを1人で始める。地球温暖化対策を大人たちに迫る「学校ストライキ」運動を授業ボイコットという形で始める。驚いたことに予想外に世界中の若者から反響があり「未来のための金曜日(Friday for future)」(FFFと略す)として金曜日のストライキが、あちらこちらで始まった。世界中にその輪が拡がりつつある。彼女は菜食主義者であり、 温室効果ガスの排泄が多く温暖化に大きな影響のある飛行機には乗らない。これを実行している。

2019年8月

渡米するためにヨットで大西洋横断航海をした。そのヨットの動力は太陽光(ソーラーパネル)と風である。そしてニューヨークで開かれた国連気候変動サミットに出席した。9月の国連気候行動サミットでの演説後は北米を回りながら各地の集会に参加しチリを目指していた。

9月

世界で400万人以上が参加した抗議デモも行われた。

COP25

 12月にCOP-25開催が予定されていたチリのサンジエゴを目指していたが 急遽マドリード開催に変更された。この時もアメリカの東海岸からヨットで帰ってきた。その辺りは徹底している。11月13日アメリカ東海岸出発12月3日 リスボン到着、そして、COP25に出席している。

 COP25のスピーチ

「科学を無視している時間はすでにない。1年間にわたって、わたしはずっと温室効果ガスの削減について何度も何度も話したが、無視され続けてきた。わたしは同じことを言い続けるだけだ。みんなで変化を起こしましょう」

「今のままの排出が続けば、パリ協定で掲げる産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える目標は8年で不可能になる」

「これは意見でもなく、政治的見解でもない。今使える最上の科学だ」

「誰もが科学に基づいて団結する(Unite Behind the Science)必要があるということである」

「私たちはこれまで危機として扱われたことのない、今までに差し迫った前例のない危機に直面しており、指導者達は子供のように振る舞っている」

痛烈な批判を世界中の政治家に浴びせた。そして

「わたしたちは、あらゆる希望の兆しを必死に求めています

12月11日

タイム誌が「今年の人」にグレタさんを選んだ。

同紙は「地球が直面する最も重要な問題について、最も説得力ある声の持ち主となった」とたたえた。

 

グレタ効果

グレタの一人ぼっちのストライキFridays for Future

ドイツに飛び火したFridays for Future運動

地球はもう燃えている

若者たちの意識とライフスタイルの変化

Fridays for Future運動のさらなる広がり

政治家が環境問題に再び真摯に向かい合うようになった。

 

チョット持論を

かなり盛り上がりを見せCOP25は期間を2日間延長して世界中の合意を取り付けようとしたが各国の歩調が合わず、合意には至らなかった。ダブル・スタンダードを解消することは出来なかった。

日本は2回「化石賞」を国際的環境NGO「気候行動ネットワーク」から授与された。これは石炭火力発電所を選択肢として残しておきたいといいう方針に対して贈られた。

勿論、石炭火力発電は日本のエネルギー供給の大きな柱であり総発電量の32%を占めている。しかし高率はずば抜けて良い。再生エネルギーの占める割合が低いことは確かである。ここは大きく方針を転換させるべき処ではある。

しかし

実は日本は2018年度まで5年連続でCO2排出量を減らし、昨年は前年比なんと3.6%の減少です。欧州などより、足元の削減はよほど進めています。ここを強調すべきだった。今年のノーベル化学賞を受賞した吉野先生も「持続可能な再生エネルギー社会を作ることにリチウムイオン電池が大いに貢献する」と発言されている。

2014年のLED(発光ダイオード)照明の受賞も日本人3人の研究である。環境トップ賞が欲しいほどですよね。車の燃費の向上(省エネ)に対して最も積極的に貢献しているのは日本のメーカーである。フォルクスワーゲンを主犯とするドイツ車のディーゼル燃費偽装などと比較して欲しい。

 

気候変動枠組条約とは
気候変動に関する国際連合枠組条約(英語:United Nations Framework Convention on Climate Change、省略名称:UNFCCC)
1992年6月 リオ・デ・ジャネイロにおいて採択された地球温暖化問題に関する国際的な枠組みを設定した環境条約である。大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的としている。

 締約国会議(COP)(Conference of the Parties)
 UNFCC締結後 1995年から毎年開催されている。今年(2019年 COP-25)は、チリのサンジエゴで開催予定であったが、政情不安のため急遽、スペインのマドリードで開催された。この条約の最高意思決定機関である。
日本では1997年にCOP-3が開催され「京都議定書」が採択された。

国連気候行動サミット 2019  ニューヨーク
今後10年間で温室効果ガス排出量を45%削減し、2050年までに正味ゼロ・エミッションを達成するために、2020年までに自国が決定する貢献(NDCs)を強化するための具体的、現実的計画を持って、9月23日にニューヨークで開かれる国連気候行動サミットに参集するよう国連事務総長 グレーテスが呼びかけた。

電話・FAX

TEL.0574-43-1200
FAX.0574-43-9050