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MMCで健康とスポーツに新しい選択を

 

 

 

MCCマルチカフで健康とスポーツに革命を

 

MCC導入の経緯

 学生時代は、体育会山岳部に所属し、肝心の医学部(い がくぶ)はほったらかしで山岳部(さん がくぶ)の学生であることを誇り、自慢の種にする不良学生だった。不良ではないが、よからぬ学生であった事は間違いない。その趣味が高じて30歳の1979年(昭和54年)にはパキスタンのカラコルムヒマラヤ遠征登山隊に参加。1982年(昭和57年)にはネパールヒマラ登山遠征隊に参加した。開業してからは「佐藤クリニックの動く広告塔」も兼ねてランニングを開始し、精力的に走った。自分の健康を、体力を維持することは、クリニックのバック・ボーンとなっていた。大きな柱である。次男の陽の誕生(平成6年)を契機としてフル・マラソンに取り組んだ。体力も筋力も衰えを感じ始めた時期(45歳)に、歯止めを掛けるだけではなく持久力、筋力をアップしようとするのは、かなりの努力を要した。色々のトレーニングを試みた。その中で効率的な手段として「加圧トレーニング」に興味を持ち、フェニックス社の加圧トレーニング装置を購入した。ランニング時に、ダッシュ時に愛用してきました。確実な効果はありました。私のような華奢(163CM、57KG)な体格のものが、フルマラソンを157回、ウルトラ100キロを11回も完走出来たのはこの加圧トレーニングによるところが「大」で有ると思っています。しかし、理論の科学的裏打けないこと、締め過ぎによるその部位の痛み等、不満もあった。そして近年は、トレーニング過多による腰痛、膝の痛み、足首のトラブルなど、運動器官の故障に悩まされ始めた。加齢と共に故障は増え、難治性になってきた。思案に暮れていた今年の夏、可児市の治療院でMCCトレーニングを体験した。その理論の明解さと理想的な装置に圧倒された。興味を持って尋ねてみると、その開発者は、上飯田第一病院で一緒に働いた福田博司先生でした。早速先生の診療所の門を叩きました。8月22日のことです。先ずはRIC(REGIONAL ISCHEMIC CONDITIONING)の説明を受けました。心臓バイパス手術直前の患者さん、或いは、搬送中の救急車の中で血圧計の駆血帯を使って「阻血と開放」を繰り返し受けた心筋梗塞患者群と非施行群の生存率を比べると施行群の生存理齲が統計学的に優位を持って良かった。血管内皮細胞からNOが分泌される。それが血管拡張作用を持つ。という説明でした。RICは「血管のリハビリ」「血管のトレーニング」である。そして筋肉を効率よく鍛えるMCトレーニングと組み合わせることによって健康寿命を延ばすことが出来る。そんな説明を受けました。真にカルチャーショックでした。早速購入を決めました。

 

MMC (MULTI CUFF CARE)

MCCは、Multi Cuff Careの略称で、「RIC」と[MC TRAINING」の2つの機能を持つ装置です。

RIC  REGIONAL & REMOTE   ISCHEMIC CONDITIONING

   脚や腕の血流を一時的に止めることで、その後の血流を改善させる。

****   RIPは「血管のリハビリ」「血管のトレーニング」 ***

① 骨折・捻挫・怪我等の局所の血流が改善、治癒促進。

  身体の一部が低酸素状態になると、内因性の防御システムが作動して各疾患部位の修   復作用が賦活する。

② 圧迫されている神経の血流が良くなり神経痛・しびれが改善

③筋肉痛の改善

④血流が良くなり冷え性、冠状動脈の拡張

 

MC トレーニング MULTI CUFF TRAINING   マルチカフ低酸素トレーニング

筋肉を直接圧迫して筋肉内の血流を制限し、筋肉を効率よく、特に速筋を鍛えます。

筋肉を直接圧迫して筋肉内の血流を制限する事で、筋肉を、特に速筋を鍛える。筋肉内の血流が制限され、酸素の豊富な血液の流入が阻止されると、低酸素状態が維持されます。すると酸素を必要とする遅筋の活動が止まり、無酸素でも動ける速筋が活動を始める。格段に短い時間、少ない運動量で効率よく速筋を鍛えることが出来る。

虚血ショックプロテインが分泌(ヒート・ショック・プロテインのようなもの)され、筋肉細胞の活性化、血流の改善が起こると説明されている。又、成長ホルモンの分泌を促す。(筋肉内に溜まった乳酸が分泌を促す)

駆血(虚血)は、心筋梗塞、脳梗塞、腎疾患、等に対して非侵襲的治療法として簡便で、安全性の高い方法であると考えている。また、高齢者、フレイルの状態の人(運動の出来ない人)の状態の人達に対しては、交感神経の緊張をもたらすので運動実施と同じ効果をもたらす。

 

MCトレーニングの基礎                              筋力トレーニングにおいては、筋肉内のすべての筋線維が同時に活動するわけではありません。状況に応じて活動する筋線維の数や種類は異なります。

①弱い負荷のトレーニングでは、初めに小さい神経の遅筋線維が活動する。

②それが疲労して活動しなくなってから、大きい神経の速筋線維が活動を始めます。

③散歩程度の運動では遅筋のみの活動である。適度の負荷を掛けて速筋を鍛えないと咄嗟の反応、素早い反応が出来ない。結果として転倒しやすい。歩みがおぼつかない。筋力が増えない。これを改善する(速筋を鍛える)には、強い負荷(最大筋力の65%以上)を必要とします。ただし、遅筋線維は酸素を必要(有酸素運動)とし、速筋線維は無酸素状態(ブドウ糖運動)でも活動できる。そこで、筋肉内の血流を制限すると、初めは遅筋線維が活動しますが、血液中の酸素が供給されないので、筋肉内は短時間で低酸素(または無酸素)状態に陥ります。その結果、酸素を必要とする遅筋線維の活動が少なくなり、代わりに酸素を必要としない速筋線維の活動が始まります。

この原理を利用して強い負荷でなくても速筋繊維の活動を高めることが可能になる。これがMCトレーニングの原理です。

 治療開始

8月28日(火曜日) 午後、愛知電子工業から機械の納入をして頂き、松本会長と木村さんに使い方を習いました。第1回目です。

8月29日(水曜日)の午後、開発者でふく田整形外科の福田博司院長の直接の指導を受ける。パワーポイントを使って、開発の経緯とか理論の説明を職員と共に聞きました。そして全員RICとMCトレーニングを受けました。自ら発想を産み出し、育て開発した製品だけに思い入れも一入だろう。1人でも多くの人にその良さを知って、使って、実感して欲しい。そんな福田先生の思いが伝わってくる。講習を受けた全員が、これは面白い。奥が深い。是非、使ってみたい。患者さんにもそして自分にもという感想を懐いた。そして装置も非常に良く研究されている。第2回目の講習会です。

 我がクリニックで使用され始めたのは、8月30日(木曜日)からです。

1例目は、十数年来、当クリニックに通院している高血圧と腰痛症の75歳の女性です。

例年秋頃から手足の冷汗を訴えている。今年は早めに治療を開始して防ぎましょうと説得しました。カフを捲く職員もチョット緊張しています。

開始してそろそろ1ヶ月です。患者さんの評判も上々です。

 

スタックの評価

 全員が、興味を持って接してくれている。それを一番強く感じるのは仕事の終わったあとの放課後です。スタッフが、理学療法スペースで自分で工夫しながらRICとMCトレーニングをしている。そして、MC理論や治療の工夫について私に、質問をしてくる。自分達の効果についても語ってくれる。筋肉増強を目的にするものもいれば、ダイエットを、冷え性や下肢の浮腫軽減を目的にするスタッフと様々である。仕事としてだけではなく、効果を実感している治療法を患者さんに勧める・施すことは当然意識の差が出る。

 院長として頼もしくとても素晴らしいことだと実感している。

 

対象とする患者さん

 先ずは女性特有の冷え性、手足の冷たいという訴えの患者さんにはRICを積極的に勧めています。そして足の裏の感覚異常(違和感・ザラザラ感・触覚が鈍な状態)を訴える患者さんには、この治療法は、血管のリハビリであり神経の賦活作用もあり、感覚異常も鎮りますよと説明しています。サルコペニアやフレイル(運動の出来ない状態)に近い状態の患者さんには、「このままでは動けなくなってしまう。」「転んで大腿骨骨折をやると寝たきりになりかねない」「筋肉をつけて転倒しないように、効率的な理学療法をやりましょう」と誘い勧めています。ロコモの患者さんには、両腕で大腿部を締める仕草をして「この状態で酸素を多く含む血液の流入が阻止されると、低酸素状態が維持されます。すると酸素を必要とする遅筋の活動が止まり、無酸素でも動ける速筋が活動を始める。格段に短い時間、少ない運動量で効率よく速筋を鍛えることが出来る。」「やってみましょう」と話します。

思うこと

 大まかな捉え方をすれば、脚又は腕を駆血・虚血する。そして一気に開放する。その血流の再開による刺激が(効果が)全身に行き渡るのだという一体感が患者さんの共鳴を呼んでいるところがあると思う。治療を受けた実感も大いに関係している。患者さん達の話を聞いていると興味深い。手や脚の痙攀がなくなった。或いは肩の痛いのが少し楽になったと話す人もいる。足の運びが良くなった女性、脚のダルいのが改善した人もいる。

このMMC治療は黎明期にあり、輝かしく明るく大きな未来が開けてくると確信している。

 

これからの血行改善療法

自分(69歳)を含めて日本は超高齢者社会(2017年 12600万人中3450万人が65歳以上、2065年には 1人/3人が、65歳以上)に突入している。その事にため息をついたり、思案に暮れても仕方がない。最も大切なことは私を含めて、高齢者の「健康寿命」を伸ばすことである。

その為には医療人として、街のかかりつけ医として何が出来るのか。これまでも、自問自答してきた課題の1つである。これまでの理学療法と投薬療法では限界がある。新しいアイデアを探している時にMMCと開発者の福田先生に出会った。 この斬新な治療法は、ロコモ(運動器障害で運動機能の低下した状態)からサルコペニア(加齢や疾患により筋肉量が低下し、筋力低下した状態)へ、そしてフレイル(虚弱・老衰・脆弱、心身の活動が低下した状態)と低下しながら変態していく高齢者の身体能力を甦らせる大きな力になると確信している。

 

詳しい理論は、POWERFUL LIFEのホーム・ページ(http://www.powerfullife.jp/index.html)をご覧下さい。新しい理学療法の、流体力学の世界が開けてきます。

この記事では、タカサンがこんな最新式の治療を受けました。こんな治療を始めたという紹介にとどめています。

                     2018年(平成30年)9月22日 脱稿

 

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