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永遠の妖精  オードリ・ヘップ・バーン

 

今(平成29年10月下旬)、名古屋松坂屋の展示場で「オードリ・ヘップ・バーン」写真展を開催している。その宣伝の新聞記事やらウェブサイトの写真を見ていると心が高鳴りました。ちょっと覗いてみたくなりました。私が彼女の姿を最初にスクリーンで見たのは高校1年(昭和39年、1964年)の時である。 この年東京オリンピックも開催された。

八百津に有った映画館「栄座」で観て、その印象を友人達と語ったことを思い出す。

私達は、彼女の妖精のような美しさに、演技に見惚れ魅入られた。新鮮だった。その後、多くの洋画を見てきたが、私の青春時代の憧れは外国女優ではヘップバーンです。 その後、彼女の出演する映画をそれなりに、沢山見ました。彼女の魅力は、無邪気でありながら、思慮深い。表現するすべての才能を備えていた。彼女にはユーモアのセンスもあった。 何よりも、仕草にも笑顔にも気品があった。自然にあどけなく振り舞いながら迫真かつ情感あふれるその演技は、美しく魔法のようだった。

写真展が開催されるのを機会に彼女の映画の感想文を少しだけまとめてみる事にした。

註 1

彼女の母親はオランダの貴族の出身だった。彼女の気品あふれる美しさは貴族の末裔のなせる技だった。当然なのだね。

ローマの休日

                            オードリ・ヘップバーン(アカデミー賞主演女優賞)

                      グレゴリーペッグ

                      1953年 アメリカ映画

 

ROME !

BY ALL MEANS , I WILL CHIERISH MY VISIT HERE,

IN MEMORY , AS   LONG AS I LIVE.

 

記者会見」で「どこが良かったですか」という質問に、侍従の囁く言葉のオウム返しを始めながらも「それはローマです。」「ローマは永遠に忘れ得ぬ町になるでしょう」ここは胸が熱くなりますね。この映画の素晴らしさは、なんといってもラストシーンですね。2人の目と目の演技に泣けてきました。

そして、制止を振り切って、1人一人記者と挨拶をし、短く言葉を交わされる。カメラマン(アービング)から写真の入った封筒を渡される。その中にはギターで秘密警察の頭を打ち下ろすシーンがある。ニッコリと笑って受け取る。世界中がオードリーに、アン王女に夢中になった一場面ですね。

某国の王女アン」がヨーロッパ各国を表敬訪問される。そしてローマに到着・・・早速、会見と工場視察・・ヨーロッパ共同体の在り方などに質問が来る。そして侍従やら、大使館員の用意した答弁をする。そして、イライラが爆発し、主治医が呼ばれる。睡眠薬を駐車される。直ぐに眼が覚めてしまい、そのままリネンの車の荷台に乗り込んで外出する。ほんの1-2時間のつもりだった。その頃になって薬が効き始めベンチで寝てしまう。

「出逢い」そこへ、ポーカーで大負けをしたアメリカの新聞記者ジョー・ブラッドリーが通りかかる。完全にラリッテいる王女は夢遊病状態で、ジョーの部屋に泊まり込む。

「服を脱がせて!!」「靴を脱がせて」」 困り果てて戸惑ったがそのままねかせる。 翌朝彼女を残して「厄介者を抱え込んでしまった」とぼやきながら遅刻出社をする。新聞社で彼女がアン王女であることを知る。

大スクープ」だ。公式発表は高熱のためであるが、その写真の主は紛れもなく自分の部屋で寝ているあの不可解な女性だ。彼は策を巡らせる。アパートに戻る。サヨナラの挨拶をして出ていく彼女の跡をつける。アンはジョーから借りた5.000リラで、理容室で長い髪をばっさりと切り落とす。これが又かわいい顔立ちになった。ジョーは、スペイン広場でジェラードを食べている彼女に偶然に出会った振りをして、「ローマの休日」を楽しもうと誘う。あちらこちらローマを案内して、そのルポを書こうと企画する。その為に友人のカメラマン(アービング)を誘う。

バー」でシャンパーンを楽しむ。

ベスパ」に乗る。警官に道を聞いている隙に勝手に運転をしてしまい大暴走。店を吹き飛ばす。警察官にしぼられるが、結婚式場に行く予定だと大嘘を突き通す。

真実の口」に手を入れるとジョーの手が抜けない。アンが手伝って抜くと、手首から先が食いちぎられている。本当に大騒ぎをするアン王女。心がキーンとなるね。

にも行きました。

船上のダンス・パーティー」 王女を追ってきた秘密警察が現れるが、大乱闘事件を起こして川に飛び込んで逃げ切ってします。

別れ」二人の間には強い、互いに惹かれ合う恋心が芽生えていた。徐々に徐々に2人の心が、気持ちが接近していくのが、切ないほどに分かりました。抱き合って抱擁して分かれる。王女は祖国と王室の為に宮殿に帰り、ジョーはアンとの思い出は記事にしなと誓う。

翌日記者会見が宮殿で開かれる。ジョーとアービングも取材に訪れる。

                 初稿 2009年1月1日  脱稿 2017年10月28日

註 2

ジョー・ブラッドリーを演じるグレゴリーペッグは「白昼の決闘」の時のイメージは全くない。あの無法者のイメージではなく、ローマ駐在の陽気で、人生をそれなりに謳歌しているアメリカの新聞のレポーターである。ズボンはタブタブで、裾はダブルです?。

註 3

 その当時、BBと呼ばれた「ブリジットバルドー」、CCLと呼ばれていたウディア・カルディナール」、アメリカでは「マリリン・モンロー」そしてリズの呼称で親しまれた「エリザベス・テイラー」等が人気のある女優さん達でした。これらの女優さん達はどちらかといえば女らしさ、妖艶美を誇る女優さん達です。多分間違っているが・・・。

 

 

ティファニーで朝食を

                                  1961年 アメリカ映画

                  音楽はヘンリーマンシーニー作曲 ムーン・リバー

                  原作はトルーマン・カポーティー(あの冷血を執筆した作家です)

夜明けのニューヨークの5番街727番地 ティファニーの前にイエローキャブが留まる処から始まる物語。大きな黒のサングラス。ショウウィンドーを覗きながらクロワッサンと珈琲も朝食を摂る。

ニューヨークの4階建てのアパートの二階に名前のない猫と棲むホリー・ゴライドリー、危うく、脆く、浅はかな娼婦ホリーである。いつの日か、自分がシンデレラになることを夢見て気楽に快活に野放図に暮らしている。その部屋に電話を借りにやってくる男・・彼が、ポール・パージャック(駆け出しの三文小説家)である。 (ホリーの兄の名前ブレットと呼ばれる)

彼女は、何も臆することなく、怯むこともなくティファニーに夢中であることを喋り、「あなたも赤く気持ちが沈むことがあるでしょう!!」「暗くでは??」という反論に「そんなのは中年過ぎの雨の日の単純は憂鬱よ!!」「賛成は出来ないが・・」、その軽妙なやりとりがうっとりさせる。「私のは赤!!」「辛いわ!」「原因不明だし!!」「そんな時タクシーでティファニーに行くの」 夏目漱石流に表現すれば、「天醜真爛漫」がずばりそのものの女性かな。平気で彼に鰐皮の靴を取ってと頼み、刑務所シンシンにいるサリートマト(マフィアのドン)に会いに行くことを告げる。7ヶ月前から毎週木曜日に会いに行くの。お金になるの。面会に言った証拠に弁護士に天気予報を伝えるの。ブラック島からハーティラス岬に小舟注意報など・・・。

彼女は非常階段を登ってポールの部屋を覗き、彼がパトロンの夫人と一緒にいる所を見つける。彼の本業は作家だ。著書は「9つの命」だが、その続きが書けない、今はパトロンを持ちツバメ稼業で生きている。尋ねてきたホリーに「短編を書いているという」がタイプライターにリボンがないのを見つけられる。惨々にからかわれる。ホリーはお酒を飲み過ぎて彼の部屋に押しかけ彼の胸に頭を押しつけて抱かれて寝てしまう。そんな彼女にポールは興味を抱く。・・この二人におかしみと親しみを感じる。ゴライテドリーの開催するパーティーでOJにブレットのことを頼む。彼は彼女を発掘し、磨き育てた人物だ。そのバーティーには色々な人が集まってくる。上の階の出っ歯の日本人はその騒音に怒り狂い、警察を呼ぶといつも怒り狂っている。ブレット(ポール)は彼女のことを小説に書こうと・・・、二人でサリートマスに合う。「ニューオリンズで小雪」という珍しい天気予報。窓を開け、ギターをかかえて唱う「ムーンリバー」非常階段の恋が別名ですね。素晴らしい場面です。

 

いつの日か

昔の夢を慈しみ

張り裂ける思い

でもその荒れに

私もついていこう

漂う二人

世界を観ようと

胸を弾ませて

心の夢

 

尾行されるブレッド(ポール)・・実はホリーの夫ルメラーだ。

テキサスで獣医と農業を営んでいる。彼女が14歳の時に結婚した。子供が4人いる。血のつながりはない。が、ホリーは帰るのは拒否する。バスでダラスに追い返してしまう。

気が赤く滅入るわという彼女を慰める為に今までやったことのないことをしようと約束する。

朝、6時の5番街の散歩をする二人、そしてティファニーに行く。そこで10ドル以下の商品を探すが見つからない。キャンデーの景品の指輪に名前を彫って貰うことにする。「私のお金を狙って結婚しない」というジョークにも「何時でも」と反応する。10セントストアーでの万引き、猫と犬のお面を被って逃げる。図書館へ行く。「9つの命」を借りる。

ブレット(ポール)は愛人の夫人に別れ話をする。ティファニーで指輪を受け取る。この指輪を婚約指輪にと思っているのだが、ホリーに異変が起きる。ブラジルの大富豪ホセと結婚することを決めたのだ。幸せの絶頂期に兄(ブレット)の戦死の公報(自動車事故)が届き、泣きジャグって荒れ狂うホーリー・ブレット(ポール)がどうにか宥める。ホセとブラジルに発つ前にブレッドと別れのデートをする。アパートを去ったポールを探し出しにポールにご馳走しようと意気込んだホリーだったが、圧力鍋を毀してしまい、二人で食事にでる。アパートに帰ってきたところで、そこへ麻薬保安官が乗り込む・・・サニートマトが逮捕された。二人とも警察に連行される。悄げる処がすっかり英雄気取りのホーリーの無邪気さが又可愛い。

彼女は本物の偽物だ!!彼女は自分のついた嘘を真実だと思い込んでしまう。

彼女の濡れ衣は解かれた彼女は空港へ急ぐのだが、同乗したブレットから渡された手紙には、、ホセ(ブラジルの富豪)は「風変わりな君への愛も今度の忌まわしい事件で醒めた」「私の地位に似つかわしい妻にあるまじき行為だ」

泣きじゃぐるホリーは名無しの猫(CAT)を土砂降りの道の片隅に放り投げる。

ブレットは最後の告白をする。

「君は僕のものだ」

「私は自由よ 誰にも束縛されない」

「人のものになり会うことが・・」

「僕は君を愛している。当然君は僕のものだ。」

「檻はお断りよ。」

「檻じゃない愛だ。」

「誰のものでもない、一人ぼっちなの」

「人のものになりあうことだけが幸福への道だ」

「君には勇気がない。自分で造った檻の中に居たいのだ。」

「その檻は南米でも、テキサスでもついて回る。自分からは逃げ出せないからだよ 」

そこまで言って、10ドルの婚約指輪をホリーに放り投げてタクシーを降りるブレッド(ポール)。指輪をはめ、泣き崩れるホリイー。そして雨の中を追う。レインコートが似合う二人。

 雨の中を必死に猫を探す  

ずぶ濡れになっていつものテーマ・ミュージック  

猫を真ん中に抱き会う。

心の夢

             2009/02/20書き始め  2017/10/31日脱稿

オードリーの小悪魔的な魅力が溢れた作品ですね。キュートな可愛さを感じてしまう。

自由奔放で玉の輿を幸せと信じているチョットあばずれな感じの女性を演じているのだが、彼女の笑顔が欠点を隠してしまう。彼女の気品有る美しさがあらゆるものを光り輝かせてしまう。光り輝く宝石のようなオードリーの魅力をちりばめた、素敵でおしゃれなラブストーリー。気品有るエレガントさが、魅力が一杯の映画です。

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