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ウクライナ断章 先制核攻撃は杞憂か-220614

核兵器使用を危惧する
対独戦勝記念日(5月9日)には何も起きなかった。「イリューシン80」も飛行しなかった。
月が変わって6月12日の新生ロシア誕生に祝賀式にも新たな動きはなかった。表面上は落ち着いている。毎日戦争は戦闘は繰り返され、ウクライナ側にもロシア側にも甚大な被害が発生している。それでもこの1ヶ月で、双方に大きな戦果はない。ロシアはウクライナ東部を焼け野原にし、クラスター爆弾で皆殺し作戦をなり振り構わず繰り広げるも、完全占領には至っていない。ウクライナ軍の士気も衰えていない。チョット戦力がダウンして、かっての勢いや士気の高さがないようにも映るが、大統領は元気だ。軍隊もしっかり機能している。欧米各国からの武器・食料・日常物資の援助により消耗戦を戦っている。それでも双方疲れ切っている。
顔つきからして如何にも陰険(或いは思慮深い)という印象を抱かせるプーチン大統領はこんな時密かに大逆転の一撃を狙っている。
それは何か  
私が思うに核兵器の使用です。
この戦争で世界中が被害を蒙っている。一番の被害者はウクライナからの小麦に頼って日々の生活の糊口をぬらしている貧しき人々である。このままで行くと食料難から食糧危機に陥り餓死者が出るほどである。彼等には「正義」も「暴力」もない。彼等にある判断材料は、食料をくれる人々が
神であり、味方なのだ。主義主張はない。
 毎年、5月9日にモスクワの「赤の広場」で開催される戦勝記念日のパレードに、今年は「イリューシン80」と呼ばれる飛行機が参加すると噂れている。この飛行機は“終末の日の飛行機”とも呼ばれ、核戦争などの非常時、大統領らがこれに乗って指揮を執るといわれている。そして、 この飛行機がパレードに参加すると言うことは珍しい。これはロシアの核兵器使用に対する強い意志の表れと西側(東西冷戦体制の時の単語)では捉えられている。2月末の侵攻以来、幾度となくプーチン大統領の演説で説かれてきた小型核兵器の使用に対するロシアの本気度を探ろうと神経を尖らせている。
インターネットで、軍事評論家黒井さんの「核兵器使用の可能性」という記事を見つけた。
結論から言うと可能性は充分にある。その条件は1.ロシア敗北濃厚で 2.NATO参戦で 3. 武器供与が更に増えたら と考えているが、全て憶測で・いつ使うかは全く不明だが、最終的にはプーチンが1人で決めることである。だから可能性はある。
核の使用で危惧されているのが「非戦略核」と言われている小型低出力核兵器の使用
だという。

戦略核
 敵の本国を直接攻撃出来る威力の大きいものメガトン級の水爆であり、ICBM(大陸間 弾道弾)やSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)に搭載され数千キロ離れた目標国の特定場 所に投下される。お互いに報復的に打ち合えば問われるまでもなく人類はこの地球上か ら絶滅するであろう。少なくとも9割以上は死滅するだろう。「撃たれたら撃ち返す最  終兵器」。決して威嚇であったり、デモンストレーションでは終わらない。アメリカ大統領、或いはプーチン大統領が持ち歩く黒い鞄には、最終スイッチが装置されている。た物である。
非戦略核(戦術核)
射程が短く、威力も比較的小さい 戦場単位での使用を想定している。ロシアは使える核として数千発の戦術核を持っている。戦術核兵器の保有数、米国は約150発、ロシアは約1830発の戦術核弾頭を保有。この核兵器はその国の最高責任者がそのボタンを握っていない。前線の軍隊が管理している。威力は0.5キロトンから数十キロトン(広島が15キロトン)
これは本当に「使える核」である。核保有国であるという象徴ではない。(その意味で「戦略核」は使えない核である。(何故なら、使ったら世界が本当に滅びてしまう)
 では、使うとしたらどこで使うか
   黒海のオーデッサ沖、或いはウクライナの人口密度の高くない森
 流石に人口密集地に向かって爆撃は出来ないだろう。
もし、ロシアが核兵器を使用したらその報復は
NATOはどうする
 核の報復はまずないだろう。報復すれば核と核の戦いになってしまう。人類を破滅に追いやる恐怖感が克服出来ない。
出来る対抗策は、より強力な息の根を止める経済制裁である。
が、もう効果は無いだろう。
可能性としては、ロシア軍「核兵器出撃拠点」への攻撃だが、NATOは直接手を出さないと以前から公言しているので攻撃はしないかもしれない。
相互不信と日毎に募る憎悪そして睨み合いで終わるのか
妥協として、何をしでかすのか全く予想のつかないロシアの影に怯えるより妥協である。
ウクライナ軍の撤収とウクライナの朝鮮半島化
勿論世界が待ち望んでいる、小麦の輸出は順調に行われる。世界はウクライナ危機からの食糧難から逃れられ飢餓から救われる。

広島、長崎に落とされた原子爆弾より威力が弱いのだ。「ピカドン」でやられて多くの日本の同胞が死んだ。そして後遺症としての原爆病で苦しんできている。しかし、翌年には広島にも長崎にも米も野菜も収穫出来た。昭和21年以降に生まれた子供に奇形児が多いとか癌が多いという事もなかった。原子力発電所の大爆発のような地球規模の大惨事にはなってない。大惨事にはならないが、3番目の被爆地が出来たということが世界中を震え上がらせる。
6月14日  脱稿

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