佐藤クリニックロゴマーク

ウクライナ断章  5月 その3  神と仏  アクセルとブレーキ

神と仏    アクセルとブレーキ

「神」は特別な力やエネルギーの持ち主で、それを人々に授ける存在である。
一方、「仏」は慈悲深い存在であり、人々の欲望やエネルギーを鎮める存在である。

<<神>>

神とは、エネルギーの供給源である。例えば、人々は正月になると、歳神(としがみ)から1年間生きていくエネルギーである「歳魂(としだま)」を授けてもらう。・・・これがお年玉の由来である。
春には田の神から稲作のエネルギーを貰う為に春祭りを行う。
病気の平癒・合格祝い・・神々から必要なエネルギーを与えられることを期待する。

3大別
<<>自然神・・・海や太陽>>
 自然界の様々な存在を「神」として崇めるもの
 それ自体が巨大な力を持つ。
 人間に恵みを与えると共に、力を爆発させて災いをもたらすこともある
恵みをもたらすプラスの力の発揮を祈る。その反面、災いをもたらすマイナスの力の抑制を祈る。
<<祖先神・・・氏神様>>
子孫繁栄をもたらすプラスの作用を祈り。子孫の断絶に繋がるマイナスの抑制を祈る。

<<人間神・・・特別な力を持つ>>
その1
 神田明神に祀られているのは    平将門
 天神様              菅原道真
社会の不安を煽ったひと
その2
 日光東照宮            徳川家康
絶大な貢献をした人
その3
 野球の神様        常人が持ち得ない技術や力の持ち主


<<仏>>

人々の欲望やエネルギーを鎮める存在
釈迦・・・瞑想を通して欲望や執着を鎮めることで悟りを開いた。
過剰な欲望や執着を制御することで、苦しみから逃れ、安楽が得られると説いた。

大乗仏教の特徴
   自らと共に他者も苦しみから救うことを目指したところに特徴が有る。
「慈悲深い」というイメージはこの大乗仏教の教えによる

奈良時代   鎮める相手は国土に災いをもたらす自然神の過剰な力であった。

平安時代   政敵に対する怨霊を鎮める・・・人間神を鎮める役割が加わった。   

室町時代  無名の戦士達に拡がった。後にはあらゆる死者に拡大した。
       これが今日まで続く、「葬式仏教」の基礎が形成された。

結論
神と仏の役割は、自動車のアクセルとブレーキに相当する。
アクセルのない自動車は動かない。ブレーキのない自動車は危険極まりない。
この両者が適切に機能して始めて安全に運転することができる。
「神」と「仏」の両方に祈りを捧げる日本人は「宗教」に対して不真面目なのではなくて、むしろ篤い信仰心の持ち主という事になる。

               2016年01月25日  中日新聞の記事

 

余りに出口のみえない争い、一向に怒りが収まらないプーチン大統領、執拗に抵抗し続けるウクライナの状況を見ていると私達にも全く救いがない。ただ、ただ、毎日テレビの残虐な映像を凝視し、新聞の記事に暗澹たる思いを懐く以外に為す術がない。

それほどまでに、私達は無力なのだろうかと悔しく思っている。そんな時、鬼気とした面構えで演説をしているプーチンロシア大統領を観ていたら、彼は荒ぶれる神ではなかろうか。

鎮魂することは難しい。そう思い始めた。そして昔中日新聞で読んだ「神と仏」の記事のことを思い出した。探してみたら見つかった。何の解決の糸口にもなりません。そんな高尚なことを言いたいのではありません。こんな考えも有るよ。私達は「仏」に帰依しましょう。そう思った。

                        令和4年5月21日      3月になろうとしています。

 

 

電話・FAX

TEL.0574-43-1200
FAX.0574-43-9050