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ウクライナ断章 5月 その 2 防衛力強化 それとも 憲法9条の心

朝日新聞と東大の世論調査
防衛力の強化  賛成   6割(2003年調査開始以来始めて6割以上)
明日は我が身と言うことなのだが、自省することなく突き進むことは、空恐ろしい。
「ウクライナ紛争は対岸の火事にあらず」 傍観していないで、時を待たずして日本も国として明確な指針を示すべきですね。真にその通りだと思いますが、それが即「防衛力の強化」なのでしょうか。防衛力の強化とは即ち、当然憲法改正が必要です。そして、それは戦争放棄を高らかにうたった9条の破棄と自衛隊の「軍隊」への認知・昇格です。
ですが、私達が住んでいる祖国日本にとって一番正しい選択は何かです。
 ところで、日本の軍事力はどのくらいですか?
日本の軍事力は世界で5番目か6番目です。アメリカ>ロシア>中国>インド>日本です。統計の取り方で多少順位は変動しますが、決して低い方ではありません。対GDP比率での順位は、イスラエル>アメリカ>韓国>オーストラリア>・・・日本は24位です。
現在はGNP 1%ですが、これを2%まであげようという意見が幅を利かせ始めている。日本の場合、海上自衛隊の戦闘能力はかなり高く、英国や仏国を凌ぐ。そして又、日本の軍事力は防衛力に限定されており、攻撃能力が弱い。それが大きな特徴であり欠点である。日本の防衛費の大半は人件費である事と、四方を海に囲まれた日本は海上の防衛網の整備が重要であり、その海上自衛隊は多額の軍事費が必要である。
世界的にも日本に匹敵する軍事力を持つ国は多くない。日本は防御力に特化しており、「本当に戦争になったら韓国に勝てない」との意見もある。

一方、近代装備に優れ統制の取れた全員が職業自衛官であるので組織力で勝るともいわれている。最も問題なところは、自衛隊員は軍事活動で戦死という事はあってはならないという建前があることだ。軍隊ではなくて、自衛隊だからですね。そんなねじれは解消すべきです。

ロシア軍のウクライナ侵攻が2月の末から勃発した。昨年12月毎からのロシアの動きが不穏だととは思っていても、それでも一方的な侵略は全く予期しなかった。世界中が慌てふためいた。こんな事態が起こると「防衛力を強化すべき」の声が高まり、「これを機に、抑止力としての核兵器を持つべきだ」と被爆国日本にあるまじき暴論を唱える者が出てくる。しかし、世界中の国が互いに警戒して軍備を拡充したら軍事力の増加はエンドレス・テープになってしまう。世界の安全保障の歯車は全く逆回転を始めてしまう。そして武器を持てば人は必ずそれを使いたくなる。軍人の本質は「戦争をすること」であり「戦争は必ず勝てる」という誇大妄想の持ち主であるのだから当然です。
しかし、いやそれだかこそ、第二次世界大戦(太平洋戦争)で自国軍の自滅と国土の焼け野原を目の当たりにし、世界唯一の被爆国を経験した日本は、「戦争は起こさない、核は持たない、他国の紛争にも一切関わらない」と表明することが大切だ。軍拡競争の連鎖を止める役目は、日本にこそふさわしい。そのためにはすべての国民が戦争の恐ろしさをいま一度振り返り、戦いのない世界をつくろうと声高く表明すべきだと思う。今こそ、憲法9条の心を世界に訴える時である。
極楽トンボ!。時代錯誤だ。!少しは危機意識を持つべきだと諭されるかもしれない。それでも、イヤそれだからこそ武力に頼らない「平和」への運動を進めるべきだ。
その意味で日本の野党の反応には大いに不満がある。今だからこそ「平和憲法」維持を訴えて欲しい。日本国憲法を説いて欲しい。黙殺はいけない。
5月8日  母の日

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