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ウクライナ断章 5月その 1 ロシア・ウクライナ・ベラルーシは1つの民族

早稲田大学の三浦教授はアエラでこんな意見を書いておられます。

ウクライナ侵攻は「宗教戦争」泥沼化の可能性も プーチン氏に「ロシア正教を守る」使命感が溢れている。

 今回の戦争は、「宗教戦争」だ。西欧のキリスト教(カトリックと)プロテスタント)とロシア正教会との戦争です。
 NATO(北大西洋条約機構)を構成する大多数の西欧諸国は、かつてのローマからキリスト教を受け入れた国々を母体としています。 一方、ロシアとウクライナの前身である「キエフ・ルーシ(公国)」は西暦988年にコンスタンティノープル(現イスタンブール)からギリシャ正教を受容します。これが、今のロシア正教の原点となりました。
 カトリックとロシア正教は同じキリスト教ですが、似て非なるもの。その違いは、イエス・キリストをいかに考えるかの違いです。カトリックではキリストは神であると同時に人間であるのに対し、ロシア正教は思考の上では同じように理解しながら、キリストが人間であることが迫ってきます。つまり、ロシア正教は神と化した人間を求めるのです。ロシア人特有の宗教感覚は国の頂点に立つ者を「神の代理人」とする統治者観を産み出した。
 神の代理人は、帝政ロシアではツァーリ(皇帝)で、現在ではプーチン氏です。プーチン氏の権力の強大さは、この統治者観の上に成立しています。 またロシア人には、西欧に対する長年の反発もあります。邪悪な西欧が善良なロシア人をいじめている。ロシア人はそういう気持ち(怨念)を常に抱いています。
 プーチン氏がウクライナの侵攻を決めたのは、ウクライナを民主主義でたぶらかそうとする西欧に対する怒りがあります。また、ウクライナが西側に近寄ることでNATOのミサイルがウクライナに配備されれば、ロシアの喉元に匕首を突くつけられる事になる。
脅威にさらされるという強烈な危機感がある。そしてロシア正教に深く帰依しているプーチンとしては、自分が何とかしなければという使命感に駆られているはず。世界を敵に回しても、やり抜こうと思っているはずです。そもそもカトリックとロシア正教は対立関係にあります。また今回、ロシア正教の最高指導者の総主教はプーチン氏のウクライナ侵攻を支持しています。仮にカトリックの最高指導者である教皇が総主教に何か言えば、火に油を注ぐことになりかねません。戦争の根底に宗教がある以上、争いの根が深く、泥沼化する可能性を秘めているという認識でいる必要があると思います。とにかく今は、プーチン氏に逃げ場所を残しておくことです。(この表現の意味するところがよく分からない。筆者註)
「神の代理人」という統治者観は、ロシアという国が存在する限り存在し続けるでしょう。プーチン氏が去った後(彼の去就をどう考えているのですか? 暗殺??? クーデーターによる排除・国外退去?? 急病による病死??、大統領選挙の敗北??)神の代理人としてふさわしい指導者が出てくれることを願っています。
                   5月6日

運命の対独戦戦勝記念日(5月9日)を目前にして、再度周りを見直してみた。

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