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ウクライナ断章 その4 核保有国は絶対的存在
ロシアがその気になった
悠長に時間はたっぷりあるさと思って始めたウクライナ侵攻であるが、どうも勝手が違う。馘をかしげている間に時は過ぎてしまった。第1関門の期限は5月の上旬の対ドイツ戦勝記念日である。
ロシアのプーチン大統領はマリウポリの侵攻包囲戦で最後通牒を突きつけた。
停戦を日本時間の17日の午前1100分までに、降伏を午後7時までにと時刻を限定して指定してきた。
現在、マリウポリの街は90%以上が破壊され尽くされている。電気は1ヶ月以上止まったままである。燃料もない。水もない。それでも市民10万人が残って徹底抗戦を続けている。ウクライナ最強部隊アゾフ連隊は極めて明確にこの通牒を拒否した。マリウポリ市長も受け入れを拒否し、徹底抗戦を表明した。
ロシアは5月9日の対独逸・ナチス戦勝記念日を占領したウクライナで、このマリウポリでやりたい。その為には今が最終期限である。3月末に首都キエフへの攻撃を止め地上部隊を引き上げ東部戦線に回すことにした。その舞台が揃い、準備万端になるのに3週間を要した。頭部ドスパン地方を占拠するには2.3週間かかる。逆算すると今が期限である。
ロシアが、プーチンが本気で、自分の政治声明をかけて総攻撃を仕掛けてくるぞ。
4月17日
この戦いを前にお互いに一歩も引かない姿勢を鮮明にする。
ロシア
「抵抗なら全滅させる」 マリウポリで投降拒むウクライナに突きつける
ゼレンスキー大統領
「自国の領土や国民を取引の対象にはしない」
「我々の軍部隊が全滅させられた場合、(ロシアとの)全ての交渉は終わる」
4月18日
侵略戦争は第二段階が始まった。
ロシアは東部地区への侵略を本格化、今までだって充分に本格的だったが、死にものぐるいで奪い始めた。
今のロシアの頼みの綱はG20の半分の国がロシアの経済制裁に対して反対している。
世界経済の半分近いかもしれない。そして、ロシア国内のプーチン支持の高さである。
ウクライナ侵攻作戦は新局面
東部ドスパン本格攻撃が始まる。
マリウポリの最後のとりでの製鉄所、ほぼ壊滅状態になる。
<<閑話休題>>
世界中が裸の王様(狂った王様)プーチンの、ロシアの勝手なウクライナ侵略と非人道的な残虐行為・大虐殺を大声で非難しているかと言うと決してそうではない。
G20(先進国に新興国を加えた主要20ヶ国)財務相-中央銀行総裁会合がアメリカのワシントンで開催される。勿論ロシアもその構成国であり、ロシアが出席するなら参加しないと行っていたアメリカもイエレン財務長官が一部参加する予定の会議である。
さてこの20ケ国でロシアの経済制裁に参加している国
G7
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、そして日本
それ以外
オーストラリア、韓国、EU
経済制裁に参加していない国
BRICS
ブラジル、インド、中国、南アフリカ(ロシア)
それ以外
トルコ、サウジアラビア、インドネシア、メキシコ、アルゼンチン
これが世界の現実なのだ。日本は、アメリカの、バイデン大統領の扇動的な言動に惑わされていないか。
確かにロシアの無軌道などんな解釈も規範も通用しない理不尽極まる行動は周辺国を恐怖のどん底に叩き込んだ。フィンランドや、スウェーデンがこれまでの中立の立場を変えてNATO加盟に前向きになった。規律の乱れや、その存続に対して懐疑的な国も現れ始めたEUが、ロシアの脅威に対して結束を高めつつある。当たり前である。自分達の住んでいるヨーロッパの国々で起こっているおぞましいばかりの地獄絵図だ。
それはあくまで欧州の危機である。欧州の問題だよ。極東の日本が前のめりになることは行きすぎだと思う。ASEANの中でもロシア非難の声明を出しているのは『シンガポール』だけである。みんな静観である。それが正解だと思う。ロシアという新たな敵を作り出す必要は無い。
私の根本的理解
誤解の無いように書き加えておきますが、個人的にはロシアの所業には吐き気を催します。絶対に許すことは出来ない。永々と築き上げてきた私達人類の叡智を全て無駄にする行為です。否定する行動だと思う。許せないと言うより彼の存在そのものを憎む。
しかし、どんなに生きていく方程式が違っていても、お互いに認め合って譲るべき処は譲り、ならぬ堪忍するが堪忍で生きていくのが日本に残された道です。
ある意味、世界の真実は一つ
『核保有国は絶対的存在だ』
4月20日
ウクライナは、ソ連が崩壊時世界で第3位の核兵器保有国だった。その特権を放棄したのです。