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ウクライナ戦争 断章 その1  ヨーロッパで起きた侵略だから大騒ぎ

ウクライナ侵略はヨーロッパの出来事だから世界中が大騒ぎ
こんな意見が掲載されていました。
私的には大いに賛成であり、又反論もあります。

「プーチン=極悪非道、ゼレンスキー=正義の味方」
 ロシア=悪、 ウクライナ=かわいそうな犠牲者
これは安直な見方ですか。安直な見方ではありません。真にその通りですが、かと言ってウクライナにヒステリックに肩入れをする必要は無い。肩入れをするのは片手落ちです。この争いは端的に、ずばりとその本質を突けばヨーロッパの問題です。天邪鬼といわれそうですが、日本のマスコミは総掛かりで、ウクライナに対する無差別爆弾攻撃の惨状をジェノサイドをこれでもか、これでもかと報道し、 返す刀でロシアを悪の権化と蔑み、プーチンを戦争犯罪人と非難することに躍起になっている。

 何故今回の戦争だけをこんなに大騒ぎをするのか?ロシアの残虐な大量虐殺は今回が初めてではない。ロシアから独立を図ったチェチェン紛争(1993年)の折には人口の2割が虐殺されたといわれている。 人口100万人の地域だから約20万人です。この紛争の時、世界中は今回ほどに鋭敏に、誇大に反応したのでしょうか。答えは『NO-』です。
それはアジアの片隅の事件だと片つけられたのですね。それに反して今回はヨーロッパの中で起こったのです。白人金髪青眼が人種として一番優秀だという現代文明の支配構造が続いています。金髪で碧い眼をした眉目麗しき白人女性に代表されるヨーロッパが被害に遭ったのです。アナウンサーもはっきり言っています。「ここは、シリアやパレスチナでないのです。ヨーロッパの中でこのような惨事が起こっているのです」などと平気で言うらしい。
現在社会で美人である事は最大の利点である。という人間社会の心理が戦争中も有効なのだ。と言う理解が妥当かな。
 今回の世界中の反応は異常だと思います。それで少し反論します。
チェチェン紛争も、ミャンマーのロヒンギャ族への虐殺もその国の内乱です。例えて言えば家庭内の争いです。猫も犬も寄りつかない夫婦喧嘩の拡大版です。しかし、今回はロシアという独立国家の軍隊が、独立国家のウクライナに突然に、傍若無人に有無を言わせずに乗り込んで、乱暴狼藉を働き始めたのだ。我が佐藤家に隣家の人が殴り込みに来たのだから別次元のことです。枕を高くして寝られない。みんなで諫めよう。制裁しようというのは当たり前だと思う。アジア人だとかヨーロッパでと言うことを殊更に取り上げるのは了見の狭さを示すものだと思う。
 勿論、ヨーロッパ人の彼らの発想では、シリアやパレスチナで一般市民が爆撃されても問題ないが、ヨーロッパではダメだということなのだろう。世界で一番西洋かぶれの舶来コンプレックスの塊の日本ではあるが、しっかりとした認識でロシアに『反対の拳」を突き上げましょう。

話題はチョットそれるが、ロシアに対する経済制裁はイスラエルが支えるといわれている。
イスラエルは不思議な国である。何をしても制裁も非難もされない。パレスチナ人をゴラン高原から追い出し、カザ地区を攻撃しても(無差別作陸を含む)お咎めなしである。核兵器を持っていることは周知の事実であるがその事を誰も問い詰めない。制裁など論外である。それ故に、ロシアの経済制裁を裏で支えても何の制裁もないだろう。停戦の調停役をすれば評価されるだろう。イスラエルはウクライナの難民を引き受けるといっている。用意されている土地はパレスチナ人から奪ったゴラン高原の土地だ。
 BRICSもロシア寄りである。
BRICSのGDPをあわせるとアメリカとEUのGDPの合計よりも多い。経済制裁はロシアの経済を苦しめるが、それだけでロシアを翻意させることは出来ない。反対に経済の二極化を進めることになるだろう。新たな冷戦の始まりになるかもしれない。

どちらにしても、「ウクライナ紛争は終局的にはヨーロッパの問題である。」
極東の日本人が過剰に反応するのはお門違いである。

                                        令和4年4月5日  脱稿

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