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森東京オリン・パラリンピック組織委員会会長失言・辞任

森東京五輪・パラリンピック会長失言そして辞任
新型コロナウイルス以上に、東京五輪に大打撃を与えた〝失言王

 2月11日(木曜日)    建国記念日
お昼ご飯を食べて、テレビジョンを観ていたら、森会長は辞意を固める。明日には辞任を表明する。そして後任には川淵三郎初代Jリーグチェエマンが選ばれる予定であると報じている。一昨日からIOCを始め、各国のオリンピック委員会、世界中の人権団体から非難の的にされてきた。日本国内でも菅総理、橋本五輪相、山下JOC会長からも不適切発言、五輪憲章を踏みにじる発言と非難された。そして、自分を組織委員会の会長に推してくれたトヨタ自動車の豊田会長からも、「トヨタが大切にしてきた価値観とは異なっており、誠に遺憾」とのコメントが発表された。真に四面楚歌状態でした。こんな発言(女性蔑視、女性軽視の考えは有ったが、少なくとも五輪憲章を踏みにじる発言のつもりは全くなかった)で辞任を迫られ、詰め腹を切らされるとは断腸の思いでしょう。
 先ずは、7年間の長きにわたって組織委員回の会長職御苦労様でした。
私のこの事件に対する徒然草も幕引きを計ります。

事の起こりはこうだ。
今月3日

IOCの評議員会で女性理事の登用4割以上を目標とする事が採択された。その会議で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」と発言した。続いて、日本ラグビー協会での話として「女性は競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言われると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。みんな発言されるんです」と独断と偏見の私見を述べた。その時は会場には苦笑が聞こえたが、反論はなかった。誰も即座にその意見に異議を申し出なかった。(裏話として聞こえてくるのは、理事会でよく発言するのは女性3人(柔道の山口、シンクロの小谷、マラソンの高橋)だそうです。男の理事はじっと黙って聞いているだけのことが多い。だから事実として女性が多いと時間が掛かるのだ)
翌4日

あの発言は行き過ぎではないか、チョット認識がおかしいじゃないかと声が上がり始めた。森さんもこれは大失敗だ。ついつい本音を軽口で喋っちゃったが拙い。誤ったぐらいでは取り返しがつかない。辞任も覚悟して釈明会見を開こうとした。が、周囲から慰留された。森会長無くしてオリンピック準備は進みません。開催出来ませんと説得された。都内で会見。前日の評議員会での発言を謝罪、撤回した。しかし、どうもその謝罪会見も「何時もの失言森節」になってしまった。居直り謝罪会見だと酷評されている。
 辞任は否定し「一生懸命、献身的にお手伝いしてきた。自分からどうしようという気持ちはない。老害が粗大ゴミになったのかもしれないから、そうしたら掃いてもらえばいい」と居直った。 謝罪した「女性」発言も各競技団体などで「よく聞く」と蒸し返した。この謝罪会見が火に油を注いだ。
「発言すればする程泥沼」「五輪破壊器!」「破壊神・森」「最強無敵のサンドバッグ」と揶揄するネット投稿が増えた。
それでも政界や、関係者の間では森会長更迭論は出なかった。IOCのバッハ会長も「森会長は謝罪している」「この問題は解決した」とコメントした。これ以上に火の手が上がらないように必死の消火作業をした。があちらこちらからほころび始めた。聖火ランナー3名が辞退を、500名近いボランティア(都市と大会併せて)が辞退を申し出た。
2月9日
一番の誤算はIOCの心変わりである。掌を返して非難し始めた。朝令暮改のごとく「全く不適切だった」と声明を出し直したことで、森バッシングは制御不能の状況となった。カナダのIOC委員は、森会長の発言に即座に反応。「この男を朝食のビュッフェ会場で絶対に追い詰める。東京で会いましょう!」と戦闘態勢に入っていた。バッパ会長もビビる強硬派である。

森会長のこれまでの既往歴(素晴らしい業績・貢献とその自由奔放な行動・発言)

2019年  秋
ラグビーワールドカップ日本大会開催。森は16年越しの夢の大会を大成功に導いた最大の功労者。日本は念願のベストエイトに入る。
1月、都内で電通の新年会
女子水泳の池江理香子選手の姿を見かけるや『ここに座って!』と声をかけ、自分の左隣に強引に座らせた。出席者は一様に「会長、ここはキャバクラじゃありませんよ」と本人に聞かれないよう陰で笑っていたという
2015年7月新国立競技場問題が勃発
ザハ・ハディド氏が手がけた新国立競技場の建設計画について「見直した方がいい」「もともとあのスタイルは嫌だった。生牡蠣がドロっとたれたみたいで」と酷評した。この建築設計に積極的だったはずなのに掌を返して批判した。もっと言えば、旧国立競技場をさっさと取り壊し解体する音頭を取ったのは森さんである。新しい競技場を造ることを決める前にである。
2015年 スポーツ庁の設立に貢献
2014年2月、浅田真央を貶す
ソチ五輪で浅田真央さんが転倒して16位発進と出遅れた。「あの子、大事な時には必ず転ぶ」と発言した。また、団体についても「負けると分かっていた」とした。浅田さんは25日、日本外国特派員協会での会見で「森さんも少し後悔しているんじゃないかと思います」と話した。
2011年
政界、財界の人脈を駆使して「スポーツ基本法設立」に尽力を尽くされた。

IT(アイ・ティ)革命をIT(イット)革命と発言したり、外国の要人と会談に臨みHOW ARE YOUと挨拶すべき処をWHO ARE YOU と話しかけた。
2005年 
内閣総理大臣経験者として始めて日本体育協会の会長に就任
2000年4月
首相在任中、日本を「天皇を中心としている神の国」と表現して物議を醸した。
衆院選の遊説では「(無党派層は)寝てしまってくれればいい」と投票棄権を期待した。
2003年
「子供を一人もつくらない女性の面倒を税金で見なさいというのはおかしい」

2019年ラグビーワールド・カップ日本大会
ラグビーワールドカップ日本大会の招致には誰よりも一生懸命に働きかけた。一勝もしたことのない日本が招致出来るのか。出来たとしてもベストエイト入れるのかと否定的意見が圧倒的だった。その逆風下で見事招致し、大成功に導いた。
2012年オリンピック・パラリンピック組織委員会会長職
7年前日本が2020年夏のオリンピックに立候補するに当たり組織委員会会長を誰にするのか人選が大変だった。森さんならばと政界、財界,スポーツ界から請われて引き受けた。豊田章一郎前トヨタ自動車会長がこの人が会長を引き受けてくれるならば、財界は全面的にバック・アップすると強く推薦した。実に目配りの人のようです。一昨年李登輝台湾総統が死去した折には,国交のない日本から弔問に駆けつけている。又、現IOC会長のバッハ産とは懇意の間柄であり、オリンピック・パラリンピック大会としたのは森委員長の提案をバッハ会長が快諾したからだといわれている。
しかし、国立競技場を勝手に壊してしまった。その先頭の旗を振ったのは森さんである。
簡素なオリンピックを目指すはずであったシンボルを壊した。それは新国立競技場に群がる利権だったということらしい。
既往歴を見るとその評価は毀誉褒貶が激しいですね。それなりの功績があった事は確かであり、その森さんに最後まで組織委員会会長をやらせたいという万人の気持ちは私も同様である。最後までやらせてやれよ。

SEXIST(性差別主義者)
「海外メディアは森会長を『sexist(性差別主義者)』と厳しく糾弾しています。女性が性被害を訴えた『#MeToo運動』以降、sexistは犯罪者も同然と批判されてきました。日本がいまだにジェンダー感覚にうといヤバイ国であると誤解されています。森会長が今の職に居座り続ける限り、日本の後進性をアピールしているようなものです。

山口香
森会長は五輪と一心同体ですよね。五輪に対して熱いお気持ちがあるのは分かりますが、一心同体になっているから五輪自体も悪い方向にいっている。大変恐縮ですけど、森会長が自ら外れていただければ、五輪はかすかに希望が残る。森会長にとって五輪は目の中に入れても痛くない子供のようなもの。その子供を守るために自分が身を引く。これが昭和世代の美学ではないでしょうか。
筆者 
流石、筑波大学出身の柔道家ですね。この山口さんの思いやりに私は賛成です。森さん、時代が悪い。時に理がありません。断腸の思いで身を引いて下さい。
決して五輪憲章を踏みにじった訳ではありません。発言の念頭に置いておかなかった迂闊さは責められるべきですが、そう思っています。

2月8日
菅首相「森会長発言 国益にとって芳しいものではない」
 森前法務大臣「撤回と謝罪したが心を痛めている」
 「特別委員会は男女平等を強く訴えて活動してきたので、大変残念だ。森会長本人が撤回と謝罪をしたが、私としては心を痛めている」
 共産 小池書記局長「総理は森会長の辞任明言を」
 「森会長の発言は言語道断で辞任が当然であり、辞任すべきだと明言するのが菅総理大臣の責任だ。続投を容認する政府・与党の姿勢も非常に問われる。続投することこそ、国益に全く反することだと言わざるをえない」

2月9日
橋本聖子五輪相は衆院予算委で、会長の発言を受け大会ボランティアの辞退が相次いでいる状況に関し、二階俊博自民党幹事長が「辞めたいなら新たに募集する」とした発言は不適切だったとの認識を示した。
IOC
バッハ会長が主導した改革指針「五輪アジェンダ2020」は、参加国の男女比率を同等にする目標を掲げている。この理念に反することだけを持ってしても森氏が会長失格なのは明らかだ。
JOC
 女性蔑視と取れる発言について山下会長は「いかなる種類の差別も認めないというオリンピズムの精神に反するものであり、極めて不適切だったということを改めて強調したい」

雰囲気

 森会長の発言が性差別の禁止を規定するオリンピック憲章に反するものだとして、「東京大会は性差別的な発言を容認する組織委員会が準備し開催したという不名誉なレガシーが残ることになりかねない」

五輪憲章
 五輪憲章で国威発揚は禁じられているが,だけどこれほど公然と踏みにじられている憲章はない。というより振り返って回顧され反省されたことがない。どの国も国威発揚と大都市再開発のために五輪を招致してきた。そして成功させてきた。歴史がその事を如実に物語っている。
 そして、問題は今回の森組織委員会会長の発言は五輪憲章の「如何なる差別も認めないオリンピズムの精神に反するもの」だから糾弾されるのですか。 「性差別の禁止を規定するオリンピック憲章に反するもの」だから非難されるのですか。 五輪憲章に書かれている精神はあくまでスポーツのことであるはずだ。五輪憲章を錦の御旗にして発言取り消しを計り、謝罪を迫り、辞任を強要するのは筋違いも甚だしい。情けないことである。
 しかしそれでも、会長の発言が性差別の禁止を規定するオリンピック憲章に反するものであり、性差別的な発言を容認する組織委員会が,TOKYO2020を準備し開催したという不名誉なレガシーが残ることになりかねない。即刻退陣を計るべきである。理事会で勧告を突きつけ、事の重大さを悟らせるべきである。五輪開催半年前だからなどということを言い訳にしての会長継続要請は将来への禍根を残す。
  色々と読み漁ると、これまでの行動様式は、品位がない。立場をわきまえていない。行動に抑制がない。誰も猫の首にスズを付けることが出来なかったのだ。その事は日本の政治の、スポーツ界の汚点として残ることになりそうですね。
女性理事のことを悪し様に言いながら、そのJOC理事会で森理事は40分間以上大演説(長時間発言)をしている。長時間発言の出来る能力を評価するとしても,己の行動に対する反省はまるでないのだろう。組織を統率する長として資格なしです。
 

言っておかなければならない私の立場
日本は男尊女卑の社会ではない。その一番如実な例としていつも私が皆に話すことは次のことです。
日本の女性100名に「生まれ変わって産まれることが出来るとしたら今の性(女性)を望みますか?それとも違う性(男性)に生まれ変わることを望みますか」と問いかけると
大半は「今と同じ女性が良い」との解答が寄せられるそうです。
同じ質問を世界中の女性にしてみると「男性に生まれ変わりたい」との希望が多く寄せられるそうです。欧米諸国でも開発国でも傾向は同じのようです。「眉唾」と思う前に周りの女性に尋ねてみてください。この駄文を読んでいる貴女は、自分自身に問い糾してみてください。
 ついで不満に不思議に思っていること
子供を2人(5歳と8歳)もつ夫婦が離婚をすることになりました。よく有ることですね。
15歳以下だからら本人の意思ではなくて夫婦の話し合い、又は調停で裁判でこの2人の子供の親権を決めなければなりません。協議で決まれば問題ないのですが、それで決まらないと裁判所の判断になります。今の日本ではほぼ間違いなく母親に親権が認められます。これっておかしくないですか? 世界中の常識としてはチョットいびつです。だから、日本の女性がアメリカの男性と結婚してアメリカで生活をし、子供を産んだ。その日本人女性が離婚を決意する。(別居状態で子供を連れて日本に帰ってくる。)離婚が成立する。子供はアメリカ人の男性に親権が認めらることはよく有るようだ。
ついでだから書いておきますが、日本で一番偉い神様は天照大神である。日本神話に主神として登場する天照大神は女性です。
 私事を書けば,我が家の表札の主は私ですが、大蔵大臣職を始め全てを司っているのは妻(女房 女性)である。私の家が、家庭が特別ではないだろう。 似たり、よったりだと想像している。言うなれば、女房は女将(オカミ)さんであり、お釈迦様でもある。日本の男性はお釈迦様の手の上で遊んでいる孫悟空みたいなものである。
 縄文時代の土偶を見よ。女性崇拝信仰以外の何者でもあるまい。

ついでに

TOKYO2020は潔く中止を申し出ましょう。
 オリンピックの開催は最終的にはIOCの決定事項である。つまりバッハ会長の思いで決まるのだ。開催国日本に、開催都市東京にその決定権はない。が、意思表示は出来るはずである。出直した方が良い。

                       令和3年2月11日  脱稿 

 後日談
12日
森会長は辞任を表明する。女性蔑視問題発言は自分の本意ではない。何時も女性を大切にしてきたとまだ自分をわきまえない発言を繰り言のように発している。
そして、初代Jリーグチェアマンを務めた川淵三郎を後継者に指名した。指名された川渕さんも森さんの頼みとあっては断れないと家族の反対を押し切って引き受ける事にしたと記者団に語る。そして、森さんを相談役として組織委員会の中枢に留任させる意向を発表した。これは従来の方法の世襲に過ぎない。ましてや引責辞任をする森会長が次の会長を指名するとはおかしい。何の反省も感じられない。意識の変化もない
この行動に政財界から、一般市民から反対の声が起こった。菅総理も異論を挟んだ。全く反省がない。何も変わらない。旧態依然とした体制そのものだ。この声に川渕さんは会長職を引き受けないと言明。浮上した橋本五輪相も固辞する。次期会長問題は白紙撤回となる。橋本聖子は50歳台、女性,オリンピックの申し子(夏冬併せて7回の出場経験を持ち,19972年のアルベールオリンピックで女子500メートルスピードスケートの銅メダリスト、これ以上の適任者はいない気がするが・・・自身は固辞している。鈴木初代スポーツ庁長官の名前も挙がるが,森さんが大反対である。山下JOC委員長の兼任案も検討された。
ボランティアの辞退者もどんどん増えている。   750名。聖火ランナー辞退も2名増加。こんな状況で会長職を引き受ける人物はいないだろうね。「火中の栗を拾う」「伏魔殿に足を突っ込む」如くだからね。おまけにその組織はひょうっとしたら空中分解するかもしれないのだから、誰もが二の足を踏む。誘致した阿倍さんが努めるのが残された最後の選択肢と解説する人も有る。
17日(水) 橋本聖子東京五輪・パラリンピック組織委員会会長誕生(予定)
二転三転したが、落ち着くところに落ち着くかな!

橋本五輪相に白羽の矢。経歴は素晴らしい。選手としても引退後も実に精力的に働いている。2014年、ソチオリンピック、2016年リオデジャネイロオリンピックの選手団の団長を努め、JOCの副会長も歴任。ところが、すねに傷があると外野が騒ぐ。私は確信して書く。決して誰も揚げ足を取ることはしない。スキャンダルでもセクハラでも何でもない。橋本聖子の精一杯のお祝いだったのだ。それくらいの心の余裕を持ちたい。それほど人間の心は卑劣ではない。

大臣は他の民間職の長を兼ねることが出来ないので、大臣は辞任ですね。それは当然です。それだけで終わらないかもしれない。国会議員の辞職もIOCから求められるかもしれないそうです。そして(まだ想定内の驚きがある)オリンピックが中止になると「無職」です。
大臣でもない。国会議員でもない。組織委員会の会長でもない。残った職業は「無職」だけになるかも・・。大臣バッジはないだろうが、菊花模様の徽章(衆議院議員バッチ)を己の意思だけで外すと言うことは勇気が要る。
でも「セイコ」さん、ここは日本の対面のために一肌脱いで下さい。

                                  令和3年2月17日  追加

                              

 

 

 

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