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タカさんの宇宙物語 その 1 小惑星探査機「はやぶさ」と私(2019/04/05更新)

小惑星探査機「はやぶさ」と私

                         JAXAのサイトから借用

 

星の王子様に会いに行きませんか

  2002年5月10日

「星の王子さまに会いに行きませんか」ミリオンキャンペーンが始まる。私はその当時、惑星探査機「はやぶさ」の名前も目標としている小惑星「イトカワ」の名前も知っていました。その事業に宇宙開発に、とても興味を持っていました。キャンペーンの内容は応募者の名前を刻印したソフトボール位の大きさの「ターゲットマーカー」を、小惑星「イトカワ」の上に永遠に記念として残すことです。 地球外天体に人類の名前が届けられるのは初めての事です。 勿論、我が家も早速応募しました。 その結果、世界149ヶ国から887.490名の登録がありました。宇宙開発と連動したパブリック・キャンペーンとしては史上最高を記録しています。

          その時、記念のバッチを貰いました。何処かにしまってあるはずだが、必死に探したが見つからない。残念です。

はやぶさ命名3ケ月後の2003年8月、目的地の小惑星1998 SF36は日本の宇宙開発の父、糸川英夫にちなんで、「イトカワ」と命名された。糸川博士は戦前の「中島飛行機」出身であり、戦前に設計に参加した飛行機「戦闘機隼(はやぶさ)」の設計者として著名である。これが小惑星の名前の由来となったと思っていたが、どうもそうではないらしい。経緯は知らないが、糸川博士と戦闘機「はやぶさ」と小惑星探査機「はやぶさ」と小惑星「イトカワ」-とっても良い組み合わせだと思う。

 

はやぶさ打ち上げ

                           はやぶさ  1号

2003年5月9日

 はやぶさ(第20号科学衛星MUSES-C)は、鹿児島県の発射場から打ち上げられました。宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた小惑星探査機である。イオンエンジンの実証試験を行いながら2005年夏にアポロ群の小惑星 (25143) イトカワに到達し、その表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、地球に帰還する予定です。

気が遠くなるような、壮大な計画である。日本の宇宙開発物語の始まりだ、黎明期だと実感した。アメリカやソ連(ロシア)とは違う方法で開発していくのだという強い意志と希望を感じました。子供の頃、望遠鏡を覗いたり、名古屋のプラネタリウムが好きだった少年「タカさん」がそこにいた。

 

はやぶさの新方式の「イオンエンジン」はキセノンをイオンにし、高速で噴射させる。ヒドラジンを燃やす従来の化学エンジンに比べると、燃費が格段にいい。

その理論的仕組みを理解して書いている訳では決してない。イオンエンジンという名称が格好良いなぁと思い続けていた。それだけである。

はやぶさ 小惑星「イトカワ」に到着

                      はやぶさ 1イトカワに着陸する想像図 (JAXAから借用)

2005年 11月20日

88万人の名前の刻まれたターゲット・マーカーは、20日、「はやぶさ」が小惑星イトカワへの第一回目の着陸に挑んだ日、「はやぶさ」を表面の目標点へ誘導する水先案内の指標として、「はやぶさ」から放出され、見事にその地表に到達しました。

11月26日

小惑星探査機(ハヤブサ」は2億 9000万キロの彼方の570メートルののイトカワに着陸する。岩石のサンプル採取に最終的に成功する。

290.000.000:0.570です。まさに天文学的数字の世界です。

 

苦難とトラブルの連続

                 

                    この項は「イオンエンジン開発担当の国中均」氏の記事を少し修正し、掲載しました。

はやぶさには4基のイオン推進エンジン(A ~D)を積んでおり、お互いをクロス回路で連結した。打ち上げ直後にエンジンAが不調のため運転を停止した。3基のエンジンで飛行を続けていたが、今度は3基ある姿勢制御装置のうち、2基が故障した。2005年11月に着陸に成功したが、残った最後の姿勢制御エンジン(イオンエンジンではない)から燃料漏れが起こり「はやぶさ」の位置が不明となり、約2ヶ月間音信不通となった。どうにか通信可能となったが、これで姿勢制御装置は全滅となってしまった。イオンエンジンで新しい制御方法を編み出して離陸した。この時点でBエンジンも故障し、C・Dの二基のエンジンでの運行となりました。2009年11月、最大の危機が訪れました。Dエンジンが寿命を迎えて停止する。Cエンジンも耐容時間を越えて停止状態となる。ここで活躍したのがクロス回路だった。既に停まっているAとBの故障していないところ同士をクロスして1台のエンジンとして動かし始めた。クロス回路は万が一という時を考えてのファイナル回路だったのですが、上手く作動してくれた。又、クロス回路というアイデアがあったのでまだまだ、希望を持っていました。

希望をなくしたことは一度も無かった。このイオンエンジンとクロス回路こそ死期回生の立役者ですね。

 

お帰り はやぶさ  やった!! 本当に凄いことをやった!!

2010年6月13日

3年おくれで、帰ってきました。大活躍したのはイオンエンジンです。13日オーストラリア大陸にカプセルが落下。約60億キロの旅を終えて7年ぶりに地球に帰還した。月以外の天体に着陸した探査機の帰還は、世界で初めてです。回収したカプセルに.岩石が入っていれば、米・ソ連に次ぐ快挙ですが・・・。

月とは僅かに38万キロですからね。イトカワとは3億キロの距離です。7年振りの帰還です。日本の生き残る技術はこんな処にあるのだ。トランジスターを開発した日本にはピッタリの技術です。小粒だけれど「宇宙一輝いている」我が祖国日本ご自慢の惑星探査機「はやぶさ」です。それよりももっと皆に知って欲しいのは、チーム「はやぶさ」の不屈の精神です。絶対に諦めない。諦めなかったから帰ってこれた。

16日

ハヤブサが運んできた微粒子は小惑星「イトカワ」のものと確認された。500点満点の成果である。世界中から称賛の声が届く。

「帰ってきただけでも夢のよう。夢を超えたことで、どう表現してよいか分からない。

 

月以外の天体からサンプルを採取して持ち帰るという偉業は、人類初の快挙だった。7年間、60億キロにも及ぶ宇宙旅行は、絶体絶命のピンチの連続だったとおもう。とてつもない大きなプレッシャー。次々と降りかかるトラブル。しかし、メンバーたちは絶対に諦めなかった。あのNASAですら出来なかったことである。

                                  平成31年02月28日  脱稿

「はやぶさ2」に続く予定である。

 

 

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