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ワクチン接種はゴールではない(抗体検査の勧め)

ワクチン接種はゴールではない

 ワクチン接種が進んだ今こそ、積極的に抗体検査を受けましょう

 

<<ワクチン接種>>

   先ず2回のワクチン接種を受けましょう

新型コロナ感染書を鎮圧するには「兎に角ワクチン接種」です。OECD35ケ国中で最も接種率の低かった日本も菅総理、西村担当、田村厚労、河野ワクチン担当各大臣の陣頭指揮の甲斐あってワクチン接種は予想以上に順調に進んでいます。8月13日(金曜日)で、65歳以上の高齢者 84%(2950万人) 全人口の37%(4600万人)が接種を終えました。

ワクチン先進国の範疇は40%以上ですから目前です。私の設けた50%も手が届くところまで来ました。しかし、集団免疫の70%にはまだまだですね。それにしても、勤勉な国民ですね。欧米の基準に追いつき始めています。しかし感染者は一向に減っていません。1日の感染者は遂に20.000人を超しました。累計の患者算数は110万人を超しました。それでもワクチン接種が進んでいるのでこれで鎮っているのです。

<<総論と各論>> 

高齢者はワクチン接種率が高い。高齢者では殆ど発生者がいない。導かれる結論はワクチンは極めて有効である。総論として私もその思いはかなり強い。では各論として私は充分な抗体を持っているのだろうか?(勿論ファイザーのワクチンを2回接種しています)

 

8月14日 中日新聞の記事によれば、接種完了3ヶ月後の抗体検査結果  60~70歳代は20歳代の半分。喫煙者は中央値より3割低い。

女性の方が男性より抗体価が高い。

自分の立ち位置が気になりますね。

そこで最近話題になりつつある抗体測定検査です。

 <<抗体検査>>

 中和抗体はあるのか・・中和抗体の有無を調べましょう

ワクチン接種後の中和抗体を獲得する能力は個人差が大きいことが分かってきた。過去の感染が要因で1回の接種で充分の抗体価を得る人もいる。反面、2回の接種で充分は中和抗体が出来なくて感染リスクを抑えられない人もいます。2回の接種後2週間の検査で中和抗体獲得率は95%ぐらいです。中和抗体が出来ていない方は、追加の3回目、4回目が必要です。

  <<新型コロナとの「戦いに変化」>> 3回目の接種が必要なのか?

ワクチン接種により欧米では感染者が激減しました。規制を解除した国もあります。しかし、その私達の楽天的な見方を根底から覆したのが、変異株、特にδ株の登場です。δ(デルタ)株は水疱瘡(みずほうそう)に匹敵する感染力がある。接種を完了している人にも感染させる可能性があるとCDCは警鐘を鳴らし、「戦いに変化が起きたことを認めるべきである」と発表した。

つまり、ワクチン2回接種で、ルンルン気分で自粛、規制を脱してしまうのは早計である。何故なら、ワクチン接種後の抗体獲得力には個人差が大きい。接種後中和抗体量を、各種変異株に対する抵抗力を調べることが必要である。

中和抗体量が充分あり、変異株に対する能力が備わっていれば、社会活動に制限は不必要である。

不十分であれば、従来通りの活動に制限を加えるべきである。3回目の接種という選択肢も考慮すべきである。

<註>

「ワクチン接種は3回必要ですか?」という質問に対して私はいつもこう答えています。

「2回では終わりません。」

「インフルエンザワクチンを追加接種するように定期的に新型コロナワクチンを接種する必要があります。」

<<精密抗体計測ELISA法>>

そして、精密抗体計測ELISA法で各種抗体検査を追加する。この検査が最重要です。この検査で変異株に対する抵抗力も分かります。この検査を受けることによって自分の体の中の免疫状態を窺い知る事が出来ます。各論としての個人の行動範囲を知る為に設けておくべき検査だと思います。

 

 <<実際の手順>>

接種完了後2-3週間後以降に抗体検査を受ける。

 <<その1>>  簡易法で中和抗体の有無を調べる。

   中和抗体  プラス   ELISA法の精密検査

      中和抗体  マイナス  従来通りの制限のある生活 そして3回目の接種を検討

  <<その2>> 

     精密抗体計測ELISA法で各種の抗体検査(中和抗体プラス症例)

 ① 感染による抗体量の測定

 ② ワクチンによる抗体量の測定

 ③ 変異株に対しての有効な抗体価の測定

    従来株 イギリス株(α株 N501Y) 南アフリカ株(β株 N501Y・E484K) 

  インド株(δ株 L452R) ブラジル株(γ株 N501Y・E484K)

 註

  ①自覚ない自然感染により獲得した抗体なのか?mRNAワクチンにより獲得した中和抗体なのかが判別可能です。

  ②ペルー由来の変異株(λ 株 ラムダ株) 感染能力高い 8月に国内でも確認

    これから変異株は次から次に出てきます。

 

  この検査で十分な抗体量と、変異株に対する対応力を認めれば、社会活動の制限を個人的に緩める。精神的な安心感を得ることが出来ます。

 総論としてワクチン接種完了によって私達は充分な感染防御(集団免疫)が出来つつあります。しかし、各論(個人)では不安がぬぐえません。

この検査はその疑念を吹き飛ばしてくれる。

 

 <註>

FDAが3回目の接種を認める方針を打ち出しました(8月14日)が、ELISA法で変異株に対する抗体価があれば当面必要ないだろう。中和抗体はあるが、変異株に対する抗体価が低ければ3回目を検討する。但し、3回目は前2回とは別のワクチンがより望ましいだろう。mRNAからベクターワクチン(アストラゼネカ)、或いはその反対。国産ワクチンが登場していれば組み替えタンパクワクチン(シオノギ)の選択もあると思っている。

<註>

昨年7月に抗体検査の開始をしています。あの当時はコロナ感染症の診断にはPCR検査のみが許可されており、抗原検査は市民権を得ていませんでした。抗体検査は近い過去の感染状況を調べる検査として重宝されてきました。(詳細は「コロナ抗体検査始めました」を観て下さい。)そんな状況が1年続きましたが、今度はワクチン接種の有効性を判断する最終診断技術として再登場です。

 

                                               令和3年8月14日

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